「3Gを待つ必要はない」とアプリ開発を奨励、パケットビデオ

2001/7/18

 ワイヤレス環境でのマルチメディアコンテンツ配信技術を提供するパケットビデオ・ジャパンは、開発者ネットワーク・プログラム「PacketVideo Global Developer Network」を発表した。同社の開発ツールキットを用いて開発者がMPEG-4規格準拠のワイヤレス・アプリケーションを開発するのを促進するプログラムで、アイデアから開発や技術サポート、開発後の市場への迅速な展開まで、一連のサイクルを応援するという。すでに技術・ツールのプロバイダやワイヤレス通信事業社など20社以上の企業が同プログラムに参加している。

ターセック氏 「ワイヤレスで最先端にある日本でこの発表ができたことを光栄に思う」

 パケットビデオは、MPEG-4準拠エンド・ツー・エンドでのワイヤレス環境でのマルチメディアコンテンツ配信技術を「PVPlatform」と名付けて提供している。同ソリューションは、動画などのマルチメディア・コンテンツをワイヤレス・ネットワーク上で配信できるようエンコードする「PVauthor」、コンテンツの蓄積、デバイスへの配信を行う「PVserver」、PDAなどの端末がマルチメディア・コンテンツの受信を可能にするデコーダ「PVplayer」の3製品から構成される。

 同プログラム発表に合わせて来日した米パケットビデオ アプリケーション&サービス部門プレジデント ロバート・ターセック(Robert Tercek)氏は、ワイヤレスのコンテンツは急成長の市場で、巨大な機会があると語る。同時に、「キラー・アプリがどんなものか、誰にも分からない」とも言う。iモ―ドの成功で世界の注目を集めているNTTドコモを例にとり、予想に反してショッピング系コンテンツの利用が少なかったこと、逆にエンタテイメント系コンテンツのアクセスは予想の5倍を上回っていることなどを挙げる。

 同社では世界の通信事業者と組み、ユーザー動向を探るべくトライアルを行っている。日本では「akibaTV.com」を提供するORCA Visionなどが参加している。その中から、フィンランドのソノラと行ったトライアルを紹介、ライブ・カメラのアプリケーション、ビデオメールなどにユーザーからの支持が集まったことなどを紹介した。

 「3G(第3世代の携帯電話)を待つ必要はない。われわれは既存のネットワークで、いまリッチなコンテンツが作成できる技術を提供する」と3Gへ向けて準備を整えるのと同時に、サービスを立ち上げスタートすることの重要性を強調する。また、コンテンツの見せ方を模索する日本のコンテンツ・プロバイダに対し、「キラー・アプリの誕生には、まずツールを使って試行錯誤して遊んでみることが必要ではないか」と述べた。

 なお、同社は7月19日まで開催中の「Wireless Japan with Internet 2001」(主催:リックテレコム)の自社ブースでも同プログラムを紹介している。

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パケットビデオ
PacketVideo Global Developer Network

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