マニュジスティックス、アジアに進出する日本企業に注力

2002/8/7

 マニュジスティックス・ジャパンは8月6日、都内で会見を開き、日本を含むアジアにおける事業戦略と新社長の就任を発表した。

 最初にプレゼンテーションを行った米マニュジスティックスのグレゴリー J.オーウェンス(Gregory J. Owens)会長兼CEOは、「これから5年以内、アジア太平洋地域は年率31%の成長が見込まれている。弊社が世界規模でさらに拡大をするためにも、日本およびアジア太平洋地域は大変重要だ。日系企業で世界各国に拠点を構える会社が今後さらにビジネスを展開していくことが予想されるが、そういった中、弊社のサプライチェーン・ソリューションがより重要なソリューションになっていく」とアジア市場への期待を述べた。

米マニュジスティックスのグレゴリー J.オーウェンス会長兼CEO

 そのうえで、アジア太平洋地域でのアプローチとして、「顧客企業が活用する言語でのソリューションを提供する。また、導入後のサポート体制も確保していく」とし、具体的にはアジア地域で事業展開する日系企業に対するサービス機能をマニュジスティックス・ジャパンに統合し、また同社の上海、香港、シンガポールなどアジア太平洋地域の各オフィスと連携して顧客をサポートするなどの施策を語った。

 さらに今後の同社の成長戦略としては、「顧客企業が収益・利益を得ることができるソリューションを提供する、多種多用な業界において弊社ソリューションを使ってもらう、日本、アジア・太平洋地域でさらなる投資を行う」、と3点を挙げた。

 続いて米マニュジスティックスのアジア・パシフィック オペレーションズ プレジデントのマイケル クリスチャンセン(Michael F. Christensen)氏は、「アジアにおけるSCMは、3年後の2005年にはアセアン諸国において60%の伸び、中国においては倍になることが予想され、日本の製造業の投資も盛んだ。複数の国や地域にまたがった企業統治では複雑なネットワークが必要となる。われわれは各業種に精通した専門チームが、世界規模での地域をまたがるソリューション提供を行う」と自社の優位点を述べた。

 8月1日付けでマニュジスティックス・ジャパンの代表取締役社長に就任した稲井秀次氏は、マニュジスティックスの3つのポイントとして「確実に動く、短期間で使える、利益を上げる」を挙げ、同社の導入時の事前コンサルティングの適切さ、ソフトの組み合わせによるソリューションをアピールした。また、同社の主力製品の次バージョン「Manugistics 7」の日本リリースについては、「来年早々」と述べた。

 また、質疑応答の席でオーウェンス会長兼CEOは、現在BEA WebLogicの上で動作している同社ソリューションを、IBM WebSphereに載せる交渉をIBMと行っていることを明らかにし、その時期を「間近」と語った。

 今年度の目標としては、オーウェンス会長兼CEOは世界経済の悪化を指摘しながら「横ばいか、できればプラスに」と述べたのに対し、ジャパンの稲井社長は「来年2月までに顧客数を10社増を目指す」とした。

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