[eWEEK]
サンのLinux構想、ターゲットはデベロッパ
2002/8/24
August 19,2002 Darryl K Taft
米サン・マイクロシステムズの新しいソフトウェア部門のトップによると、同社はLinux関連の新製品やオープンソース構想でデベロッパやカスタマの支援を継続するという。
組織内のキーパーソンを発表したJonathan Schwartz氏によると、米サンのソフトウェア事業部は、急速な成長を遂げるWebサービス分野で特に米IBMや米マイクロソフトとの競合を意識していくという。
Schwartz氏は先日行われた電話会議の中で、同社がITの現場、システムの「導入者」、そしてデベロッパという主に3つの分野にフォーカスすることを明らかにした。
Webのエッジ部分に関しては、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)ソリューションをデベロッパに推奨していく。包括的なオープンソースソリューションであるLAMPは、LinuxもしくはSolarisが動作するインテルベースマシンのLX50上におけるサンのLinuxベース構想となる。
この構想を“Sun LAMP”と呼ぶSchwartz氏は、「弊社製品のライバルはWindowsだが、WindowsはLinuxが推奨する経済モデルにますます苦しむことになるだろう」と語った。
サンは、大規模な導入ではJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)インフラを引き続き推進する一方で、さほど複雑ではないアプリケーションについてはLAMPを推進していく。
「J2EEは銀行などの複雑で分散した業務アプリケーション向けだ。LAMPを銀行が採用するとは思っていない」(Schwartz氏)
だがSchwartz氏によると、LAMPはサンにとって一段と大きなチャンスとなる可能性を秘めているという。
「1つ1つのLAMPアプリケーションがエンタープライズアプリケーションへと成長すれば、クラスタリングやシステム管理、そしてサンが有償で提供可能な各種機能などの基盤インフラサポートが必要になる」と同氏は述べる。
「大規模なSun ONE(Open Net Environment)では、J2EE Webサービスインフラへの導入を推進していくが、LAMPの概念も強力に推進していく。場合によってはオープンソースの影響を受けて、収益ストリームを侵食される企業が出てくるはずだからだ」(Schwartz氏)
あるアナリストはSchwartz氏のコメントには不意を付かれたと語る。
ZapThinkのアナリスト、Jason Bloomberg氏は、「サンの掲げる新しいソフトウェアの世界では,一見Webサービスの居場所があるようだが、わずかであることに驚いた。データセンター、業務ロジック、そしてエッジ製品(LAMPの守備範囲)の話は聞いていたが、Webサービスについてはアナリストが質問して初めて出てきた。これまで“Webサービス向けのプラットフォームはSun ONEで決まりだ”という話だったのが“Webサービス標準はサポートするが、これらが成功するとは思えない”というように彼らの言調が変わってしまった。サンはWebサービスでリーダーになれないので、そもそも参入する意志がなかったかのように振る舞っているのだ」と語った。
Schwartz氏は、デベロッパにとって多額の資金が動く戦場としてアプリケーションサーバ市場を引き合いに出し、そこでの攻撃目標としてIBMのWebSphereを名指しした。
「IBMは、WebSphereの収益の大半をSolaris版で得ている。また、マイクロソフトも参入しているがターゲットの規模が小さい」(Schwartz氏)
[英文記事]
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