[CEATEC JAPAN 2002開催]
相変わらず注目を集め続けるコンテンツ配信、IP電話

2002/10/2

キーワードはやっぱりIP

 情報通信関連の展示会、「CEATEC JAPAN 2002」が千葉の幕張メッセで10月1〜5日まで開催中だ。ビジネスソリューションからコミュニケーション、ホームユースまで、各社が幅広く製品、サービスを展示。ビジネスソリューションでは、特にコンテンツ配信サービスや、IPネットワーク関連技術の展示が目立った。

 NECは、1Gbpsの通信回線とSANを活用した映画コンテンツの配信実験を会場で行った。東京都区内のiDCに置いたストレージと会場のサーバを結び、コンテンツを再生させた。このシステムは、映像を劣化させない圧縮技術を使い、映画館へ配信することを考えている。電力系通信会社のパワードコムや、大容量コンテンツの配信ができるサーバを販売する日本SGIと組み、映画会社に売り込むという。

 沖電気工業もMPEG-4を活用したビデオ・オン・デマンドのシステムを展示。PCがなくても、テレビに接続してコンテンツを再生できるセットトップボックスを参考出展した。

 企業での内線電話のリプレイスを狙うIP電話関連の展示も多い。通信事業者や通信機器ベンダなどが参加する「高度通信システム相互接続推進会議」(HATS推進会議)は、参加各社が開発したIP電話システムを多数展示。訪れたユーザーに実際に利用してもらい、IP電話の品質を確認してもらっていた。展示は、現在広く使われているVoIPのプロトコル「H.323」と次世代のプロトコルとされる「SIP」に対応したシステムの両方が多数展示されていた。

HATS推進会議は通信ベンダ各社のIP電話を展示。実際に利用できるようになっている

 三菱電機は、先日発表した無線LANに接続して利用できるIP携帯電話を展示。三菱電機系の通信会社の「アイピートーク」が展開するインターネット電話サービスに接続して利用する携帯電話で、無線LANに接続できる環境なら、どこからでも通話ができる。会場で展示されたIP携帯電話の背面には、コンパクトフラッシュタイプの無線LANカードが装着され、実際に通話することができた。

相変わらず元気な携帯電話

KDDIが展示したクレジットカード情報を組み込んだ携帯電話の決済システム

 携帯電話関連技術も相変わらず元気で、KDDIは携帯電話のチップにクレジットカード情報を保存して、オンラインや実店舗で決済する新システムを展示。クレジットカード情報が携帯電話のチップに保存されているため、Eコマースを利用する際に個人情報を入力する必要がなかったり、実店舗でも赤外線で決済端末と通信させることで、ユーザーの利便性を図る。

 KDDIはほかに、携帯電話の通信モジュールのみをベンダに販売するビジネスについても展示。カーナビゲーションや家電になどに搭載可能で、11月中旬にもパイオニアが通信モジュールを組み込んだカーナビを発売する。

 松下電器産業は日立と協業して開発したネット家電のシステムを展示。各家電に無線アダプタを接続し、電源のオン/オフや、利用状況をリモートで確認できるようにする。来年6月に発売する予定。

 CEATECは754の企業、団体が出展し、5日間で17万人の来場を見込んでいる。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
CEATEC JAPAN 2002

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