リアルタイムアクセスと多言語対応を武器にグローバル企業を狙うERP

2002/10/12

 システムズユニオンは10月11日、会計統合業務パッケージ「SunSystems バージョン5.1.4」を11月初旬より出荷開始すると発表した。

 SunSystemsは、財務会計、管理会計、販売、購買、在庫管理などが行える統合業務パッケージ。2元基本通貨処理が可能な多通貨機能や多言語機能、強力な多次元分析機能などが特徴で、専用ビジネス・インテリジェンスツール「VISION」を搭載し、勘定系以外の情報系データへのアクセスを可能にしている。

 SunSystemsバージョン5.1.4では、エクスプローラライクなユーザーインターフェイス「Navigation Manager」を搭載し、使い勝手の向上とユーザーごとの使用制限などの機能を実装。また、ユーザーが自由にユーザーインターフェイスを設計できる「フォームデザイナ」、紙やPDF、XMLなどによる帳票類の設計が行える「レポートデザイナ」を装備するほか、XMLインターフェイス「SunSystems Connect」のSOAP完全対応、スクリプトによって他システムなどからのコントロールを可能にするSASI(SunSystems Application Service Interface)機能、内部処理部分の制御を行うことができるDCI(Direct Cobol Interface)機能、XMLスキーマのSSML(SunSystems Markup Language)などにより、インテグレーション機能を大幅に強化している。このほか、SSLによる機密保持機能の強化、スケーラビリティ、パフォーマンスなどの向上も図られているという。

「2000〜2001年、SunSystemsはアジア太平洋・日本でかなりシェアを伸ばした」と、アシュレイ・クラーク アジア地区最高経営責任者

 英国システムズユニオン アジア地区最高経営責任者 アシュレイ・クラーク(Ashley Clarke)氏は、会見において「近年、コーポレートガバナンスの分野で問題が浮上しており、株主に対して会計情報を適切に提供するファイナンシャルソリューションが必要となっている。そのうえ、会計の役割というものは今日、変わってきており、会計部署以外のマネージャがコストや収益などの情報にアクセスできることが必要となっている。そうした情報は適切なときに適切な媒体を使って適切な人に届けられる必要がある。さらに1つの情報ソースだけではなく、企業内部のさまざまなシステムから情報を収集して、それを1つにまとめて提供するということも求められている」と述べた。

 そのうえで同氏は「われわれはそれを“ファイナンシャル・アナリティックス”として、どのような情報でもリアルタイムにアクセスできる機能を提供している。これはグローバルに展開している企業の多言語の企業環境でも重要だ。現在、多くの日本企業が中国に進出しているが、SunSystemsは特に大陸の中国で非常に強い足場を築いている。SunSystems5は地理的な境界線を超えて、中国語であれ、ほかの言語であれ、必要な情報を日本語で見ることができるというソリューションも提供できる」と同社ソリューションのメリットを語った。

 システムズユニオン代表取締役社長 竹田謙二氏は、今後の日本市場展開の目標として「グローバルに展開している日本企業、在日外資系企業、特定業種・業界」の3つを挙げた。グローバルに展開している日本企業に関しては、海外事業所や国内子会社などとの連結会計、管理会計上必要な情報の連携などでアピールし、在日外資系企業に対しては本国での実績から日本事業所でも採用を働きかけるという。特定業種・業界に対しては、SunSystemsが会計期を自由に設定できるなどの機能があることから、建設業、およびホテル、金融(ノンバンク、生損保、リース、クレジットなど)をターゲットとするという。中でも特に海外展開をしている日本企業へ注力するとして、竹田社長は「日本発信型グローバルソリューションの実現」とのビジョンを掲げ、2002年6月現在の導入社数1110社を2006年までに1400社にする意向を示した。

 価格は、4ユーザーの場合の最少構成で225万円、標準的な構成で400〜500万円程度になるという。

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システムズユニオンの発表資料

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