[Borland Conference 2002 Tokyo開催]
開発はスピード、コスト、コントロール支配の時代へ、米ボーランドCEO
2002/11/19
デベロッパー・リレーションズ・バイス・プレジデントのデビッド・インターシモン(David Intersimone)氏の質問に答える社長兼CEO デール・L.・フラー(Dale L. Fuller)氏 |
ボーランドは11月19日、プライベートカンファレンス「Borland Conference 2002 Tokyo」を開催した。今回のテーマは「〜開発技法を磨く〜 最前線の技術をどう適用すべきか。その答えはここにある」。Java、Webサービス、.NET、モバイル、UML、Linuxといった先進のオープンテクノロジに焦点を当てたセッションに、多数のエンジニアが参加した。
キーノートセッションでは、米ボーランド 社長兼CEO デール・L.・フラー(Dale L. Fuller)氏がスクリーンを通じて登場、デベロッパー・リレーションズ・バイス・プレジデントのデビッド・インターシモン(David Intersimone)氏の投げかける質問に小気味よく回答していった。
フラー氏は冒頭、「アプリケーションのライフサイクルマネジメントを的確に行うこと。それが効率的なアプリケーション開発には欠かせない要素となりつつある」ことを強調した。そして「Java、.NET、Linux、Webサービス、Mobileという5つの新しいテクノロジのすべての波にボーランドは乗る」ことを宣言、すべての有力プラットフォーム上において、同社の開発ツールが競合他社製品をしのぐ性能を発揮すると語った。
米ガートナーの調査(2002年)によると、Java IDEベンダのうち、ボーランドはIBM、オラクルなどと並んで市場を代表するベンダに挙げられているが、その一角にWeb
GainやTogether Softが台頭し始めていた。しかし、今ではWeb GainとTogether Softはともに、ボーランドに吸収されてしまっている。実際には、Together
SoftがWeb Gainを買収し、そのTogether Softをボーランドが取り込んだ。
フラー氏が明言したように、ボーランドの基本戦略は、同社製品があらゆるプラットフォーム上で動作すること、そして開発環境として、競合製品の優秀な機能を取り込みながら進化していくことにある。徹底してオープン環境にこだわりながら、市場寡占を目指すという、囲い込み戦略の逆をいきながら、市場でのイニシアティブを獲得してきたのである。その戦略が功を奏し始めていることから、フラー氏の言葉は自信に満ちていた。
実際、米ボーランドの2002年第3四半期の売り上げは前期比10%増の6070万ドルであり、GAPP(会計原則)ベースの純利益は6%増の500万ドルだった。爆発的な成長とはいえないが、着実に伸びていることは確かだろう。
最後にフラー氏は、アプリケーション開発のトレンドを振り返り、「1980年ごろはコードが最優先され、1985年ごろはデータベースへのアクセスがソフト開発の主眼だった。1990年頃ごろにGUIが登場し、1995年ごろにはオブジェクト指向開発が花開いた。2000年前後には開発プロセスが注目を集め始めた」とし、「そして、2003年、アプリケーション開発はこれまでの技術的な歴史を洗練させ、“スピード”と“コスト”、それに“コントロール”に磨きをかけた方向性を指向するようになる」と、アプリケーション開発市場の動向を予測した。
(編集局 谷古宇浩司)
[関連リンク]
ボーランド
[関連記事]
わずか半年でメジャーバージョンアップする「Borland
JBuilder 8」 (@ITNews)
UML2.0は開発手法を反映した存在へと進化する
(@ITNews)
「Action
Semantics」を知ることがUML2.0理解の早道 (@ITNews)
データアクセスに特化した、J2EEデザインパターンの適用例
(@ITNews)
WebサービスとUMLのDelphi
7、クロスプラットフォームのKylix 3 (@ITNews)
Java開発へのワン・ツー・パンチを狙う、ボーランドの新製品
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|