「ノーツは邪魔者」、日本オラクル社長新宅氏ほえる
2002/11/27
日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏(左)と同社取締役専務執行役員 マーケティング・パートナー営業統括 山元賢治氏(右) |
日本オラクルがコラボレーションツール市場に2度目の挑戦状を叩きつけた。
同社は11月26日、電子メール、コンテンツ管理などを統合したコラボレーションソフトウェア製品「Oracle Collaboration
Suite」日本語版を、2月24日に発売すると発表した。同製品は、1997年に発売したグループウェア「Oracle InterOffice」の事実上の後継製品と位置付けられるだろう。
そもそも、Oracle InterOfficeは、グループウェアとリレーショナル・データベースを統合することで、グループウェアの機能を企業の基幹システムに直結させようと試みた、当時としては画期的なコンセプトのグループウェアだった。しかし、結果は惨敗。同社のNC(ネットワーク・コンピューティング)ビジネスと同じ運命をたどることになった。つまり、市場からいつの間にか姿を消し、関係者は一様に口を閉ざすことになったのである。
それから7年後の2月。同社は同様のコンセプトに基づくコラボレーション製品で、既存のコラボレーション市場に捲土重来(けんどちょうらい)を果たそうとしている。
記者会見上での日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏は、前任者である佐野力氏をほうふつとさせる舌鋒の鋭さを時折見せた。
「現在のグループウェア市場は、いまだにリレーショナル・データベースとグループウェアを統合させる製品を生み出してはいない。そのような試みが行われていると聞くが、データベースベンダであるオラクルに追随できる企業はない」などの強気の発言を連発、さらには「ノーツはあらゆる機能を統合したというが、あまりにも重すぎてレガシーと成り果てている。いずれ解体が始まるのは目に見えている。機能の統合に意味がない以上、グループウェアとしても、コラボレーションツールとしても、邪魔者以外の何者でもない。ノーツの将来性を語ること自体が無意味だ」などの辛らつなライバルへのけん制発言で、同社のコラボレーション市場参入に対する自信を見せつけた。
Oracle Collaboration Suiteは、基盤テクノロジにOracle9i DatabaseとOracle9i Application Serverを活用したコンポーネント型のコラボレーションソフトである。主要コンポーネントは、メールサーバ、ファイルサーバ、カレンダーサーバの3つ。2月発売の時点では、メールサーバとファイルサーバのコンポーネントのみ出荷する。米国ではすでに発売されているカレンダーサーバはバージョン2に持ち越される。また、メールサーバコンポーネントにおけるボイスメール機能も、バージョン2で搭載される予定だ。
(編集局 谷古宇浩司)
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