JPドメインが50万件突破、低迷の日本語JPドメインは標準化次第

2003/1/8

 JPドメインの登録管理、運用を行っている日本レジストリサービス(JPRS)は、JPドメインの累計登録数が2003年1月1日に50万件を突破したと発表した。法人向けの「co.jp」ドメインが順調に登録数を伸ばしているほか、2001年2月に登録を開始した「○○○.jp」のドメインも順調。一方で標準化作業中の日本語JPドメインは伸び悩んでいる。

 1月1日現在のJPドメインの累計登録数は50万2906件。世界に243あるccTLD(カントリーコードトップレベルドメイン)の中で8位。アジアでは韓国とほぼ並び、登録数でトップになるという。登録数が最も多いのはco.jpドメインで23万9807件。国際的な知名度を重視する流れなどでcomドメインに注目する企業も多い中、co.jpドメインは順調に登録数を伸ばしている。JPRSでは好調の理由を「co.jpドメインは審査があり、企業の中でブランド化が進んでいる」と分析している。

 ○○○.jp、日本語JPドメインなどの汎用JPドメインの累計登録数は20万5493件で、2001年2月の登録開始以来、2年たたずに20万件を突破した。○○○.jpは企業が、サービス名などで利用するケースや、個人が取得するケースが多いという。○○○.jpの累計登録数は15万3949件。一方で、日本語JPドメインは5万1544件で伸び悩んでいる。2002年の6月から7月にかけては登録件数が7000件も減少した。JPRSによると投機的に日本語ドメインを登録したユーザーがドメインの更新時期を迎えて、手放すケースが多いという。

 日本語JPドメインが伸び悩んでいる背景には、多言語ドメインに関する標準化が遅れていて、ドメインを取得しても多くの場合、そのままでは利用できないという問題もある。Internet Explorer(IE)で日本語JPドメインを使う場合、現在はプラグインをインストール必要があり、実用的とはいえない。しかし、多言語ドメインに関するRFCの1つが2002年12月25日に発行され、残りの技術仕様も早ければ今月中にも発行される見通し。マイクロソフトは多言語ドメインの標準化が終了すれば、IEで多言語ドメインを扱えるようにする意向を示している。JPRSでは「標準化が進み、IEが対応するようになれば、日本語JPドメインの登録数は6万件を超えて増加する」と見込んでいる。

(垣内郁栄)

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