大変革に取り組むCA、日本独自製品を強化

2003/1/17

コンピュータ・アソシエイツの代表取締役社長 三ッ森隆司氏

 コンピュータ・アソシエイツ(CA)は国内向け限定の製品を発売するなど日本市場をこれまで以上に重視する2003年のビジネス戦略を1月16日発表した。CAの代表取締役社長 三ッ森隆司氏は「米本社も含めて日本向けに社内体制を変え、やるべきことをきちんとしていく」と述べ、「今年は日本市場での本格展開がキーワード」とビジネスの拡大を宣言した。

 CAは今年1月15日に明らかにしたエントリ、ミドルレベルのUNIX向けのバックアップ、リカバリツール「BrightStor ARCserve V9 for Unix」のほかにも、日本独自の製品として、サービス運用管理ツール「Unicenter」で機能を限定して、価格を抑えた「スターターキットバージョン」を発表する予定。企業システムの運用管理に必要な機能だけをコンパクトにまとめた製品で、日本市場限定で投入する。既存のソフトウェアについても日本市場を意識した製品戦略を強化する方針で、三ッ森氏は「英語版製品のローカリゼーションのタイミングを調整して、技術的に枯れた時点で日本市場に投入する。日本市場向けにクオリティを高める」と説明。「同じ製品でも英語版と日本語版で内容がかなり変わってくることもある」という。

 サポートやソリューション開発でも日本向けにサービスを強化する。顧客やパートナーからCAに対して、「フレキシブルでないというイメージがあった」(三ッ森氏)という。そのため今後日本人エンジニアを米本社に派遣して、米本社のエンジニアと密接に連携して日本向けのサポートをさせるなど、サービス内容を向上させる。パートナープログラムも2月に刷新する予定。CAが持つ6つの製品ブランド別にパートナープログラムを用意して、パートナーの得意分野を生かせるようにするのが狙いだ。

 CAは昨年、米本社が会計疑惑などで大揺れになり、昨年11月には創業者のチャールズ B. ウォン(Charles B. Wang)氏が名誉会長に退き、サンジェイ・クマー(Sanjay Kumar)氏が会長兼CEOに就任した。社内体制が変わったことで、成長を続けているという日本からの米本社への要求も通りやすくなり、日本市場限定の製品などを開発しやすくなったようだ。三ッ森氏は「CAは曲がり角に来ている。そこで新しいチャレンジをする」と述べて、「顧客のために前向きの変革を続ける」と強調した。

(垣内郁栄)

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