従来の半額、IBMがLinux専用メインフレームで攻めの戦略
2003/3/20
日本IBMは従来機種の半額程度というLinux専用メインフレーム、「IBM eServer zSeries 800 Linuxモデル」の販売を開始した。メインフレームOSの「z/OS」を搭載せずに、Linuxだけを搭載したサーバで、他社UNIXサーバの統合案件の獲得を目指す。日本IBMの取締役 BP&システム・PC製品事業部担当 橋本孝之氏は、「今年のテーマは攻めの戦略、攻めのハードウェア事業」と述べて、「昨年はサーバの国内シェアが2位。今年は1位を取ることを宣言したい」とぶち上げた。
日本IBMの取締役 BP&システム・PC製品事業部担当 橋本孝之氏 |
z800 Linuxモデルは最小構成が3700万円からで、従来のz800シリーズと比べて約半額。対応OSをLinuxに限定したことで低価格を実現した。橋本氏は、z800 Linuxモデルのターゲットとして他社のUNIXサーバの統合を挙げた。複数の他社製UNIXサーバで動いているWebサーバやデータベースサーバを、1台のz800 Linuxモデルに統合することを提案する。サーバの台数が減ることで、運用、保守のコストも削減できるという。IBMでは「TCOが3〜5割削減できる」とアピールしている。IBMでは、上位機種のz900でもLinux専用の低価格モデルを用意する。
IBMが今年、力を入れるのは、他社サーバを使う顧客をIBMのサーバに乗り換えさせる「ウィンバックビジネス」。今年1月には企業に対して他社製品からの乗り換えを提案する営業の専門部隊「クロス・ソリューション事業部」を30人体制で発足させた。他社サーバの統合需要とLinuxなど低価格サーバへの企業のニーズをにらんで、乗り換えを働きかけていく。
橋本氏はIBMのウィンバックビジネスについて、「サン・マイクロシステムズ、日本ヒューレット・パッカードが大きなターゲット。国産ベンダのオフコン、メインフレームもターゲットになる」と説明し、「ウィンバックビジネスで金額ベース、2ケタの成長はしたい」と述べた。
(垣内郁栄)
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