「初恋の人は?」をパスワードにする認証システム

2003/4/10

 ファルコンシステムコンサルティングは、複数の認証方式を用意し、求められるセキュリティ強度に応じて使い分けることができるWebアプリケーション用の認証ソフト「WisePoint3.0」を発売したと発表した。「セキュリティ強化と利便性の向上を両立させる」とファルコンではアピールしている。

「WisePoint3.0」の「J-パスワード認証」。認証を受けるユーザーだけが知っていることをパスワードに設定する

 WisePoint3.0が利用できるのは企業内のポータルサイトやデータベースなどで、Webベースのアプリケーション。認証方式は3種類を用意。「J-パスワード認証」は、ユーザーの記憶を認証に利用する方式。事前に登録しておいた言葉をWisePoint3.0が質問として出題し、ユーザーがパスワードを答えることで認証する。事前に登録する質問やパスワードは、「実家の犬の名前は?」や「初恋の人の名前は?」など、認証を受けるユーザーだけが知っている言葉を登録するのがポイント。他人の推測が難しく、またパスワードに日本語を使うことができるため、セキュリティが向上するという。さらにセキュリティを上げるため、質問を複数にしたり、ランダムに質問を出題することができる。

 「マトリクスコード認証」は事前に配布された乱数表を使ってパスワードを入力する認証方式。オンラインバンキングなどの認証で使われている方式で、WisePoint3.0が指定するコードを乱数表から探して、パスワードとして入力する。乱数表はユーザーごとに異なる。乱数表の有効期限も設定できる。WisePoint3.0は携帯電話を使って認証することも可能で、携帯電話の製造番号を使って認証する「携帯ID認証」機能もある。

ファルコンシステムコンサルティングのマーケティング本部 舘ヶ澤英輝氏

 ファルコンのマーケティング本部 舘ヶ澤英輝氏はJ-パスワード認証について、「英数字だけの従来のパスワードに比べて、漢字やひらがななど幅広い文字を使うことができる。利用文字数が多く、総当り攻撃に強い」とアピールした。

 WisePoint3.0が対応するOSは、Solaris、Linuxで、WebLogicやWebSphere、TomcatなどのWebアプリケーションサーバ、Oracle、DB2などのデータベースで利用できる。Windows、AIXへの対応も予定している。価格は200万円からとなっている。ファルコンでは初年度に4億円、40件前後の採用を目標としている。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
ファルコンシステムコンサルティングの発表資料

[関連記事]
NTTドコモが新携帯電話を発表、100万画素カメラを搭載 (@ITNews)
サン、Liberty Alliance=Single Sign Onは間違い!? (@ITNews)
[eWEEK] Webアプリの脆弱性ワースト10とその対策 (@ITNews)
「資産の活用がキー」、ノベルが新戦略に基づく製品を発表 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)