「資産の活用がキー」、ノベルが新戦略に基づく製品を発表

2002/11/27

 ノベルは10月に打ち出した新戦略「one Net」に基づく新製品を12月4日から順次、発売すると発表した。ノベルはone Net戦略で、「Novell exteNd」「Novell Nsure」「Novell Nterprise」、それに「Novel Ngage」の製品群を用意。今回はNovell Nsureと、Novell Nterpriseに対応する7製品を発表した。各ツールはオープン価格。

 Novell Nsureはアイデンティティ管理に基づくセキュリティ管理ソリューション。今回発表したのはone Netの中心となるディレクトリサービスツール「Novell eDirectory 8.7」とメタディレクトリを構築する「Novell DirXML 1.1a」、異なるOSの認証を一括管理する「Novell Account Management 3」の3製品だ。

 Novell eDirectory 8.7は新しくIBMのAIXに対応し、レプリケーションを高速化させたほか、稼働中のeDirectoryデータベースをバックアップすることを可能にした。管理ツールの「Novell iManager」は、これまでのJavaベースに加えて、Webベースでも利用できるようになった。さらにディレクトリの管理者が、ほかの管理者に対してディレクトリの管理権限を決め、部分ごとに委譲することのできる「ロールベースドアドミニストレーション」機能も利用できるようにした。スケーラビリティを向上させるとともに、管理を容易にしてシステム管理の効率が向上するようにしたのが特徴だ。

ノベルのマーケティング本部 本部長 高橋正廸氏。「プラットフォームに依存せずにアプリケーションを管理するのが重要」と述べた

 アプリケーションやデータベース、ディレクトリサービスなどのユーザーデータの同期を行うNovell DirXML 1.1aは、対応アプリケーションが増えた。新たにSAP R/3や、UNIX NIS、Windowsパスワードの同期ドライバを備えて、ほかのアプリケーションとユーザーデータの同期を取れるようにした。人事異動があった際に、SAP R/3の人事システムに登録すると、「Lotus Notes」にも自動でメンバー登録され、すぐに利用できるようになる、などの使い方が想定される。

 ネットワークサービスソリューション「Novell Nterprise」に対応した製品は、クライアントPCを管理する「ZENworks for Desktops 4」と、営業部隊などが利用するPDAを管理する「ZENworks for Handhelds 5」、電子メール、グループウェアツールの「GroupWise 6」、インターネットメールソリューションの「NetMail 3.1」の4種。ZENworks for Handhelds 5はPDAでディレクトリサービスを使った管理が可能になるツールで、アプリケーションデータの自動配信や更新ができるようになる。営業部隊がPDAに入力したデータを、クレードルを通じて自動回収する機能もある。ディレクトサービスを使って管理することで、すべてのPDAを同じ設定、環境にすることや、セキュリティ設定をすることができる。

 新戦略「one Net」を構成する製品の一部が発表されたことで、企業での具体的な導入効果が期待される。ノベルのマーケティング本部 本部長 高橋正廸氏は、企業のIT導入について「スピードと予算、スキル、業界標準をすべて満たさないと競争に勝てない」と分析。「新しいツールを生み出すのではなく、既存の資産と組み合わせて、いかに活用するかがこれからのキーポイントになる」と述べ、システム管理が今後、さらに重要になるとの考えを示した。

(垣内郁栄)

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ノベルの発表資料

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