すべてが集約される時代へ、BEA

2003/4/11

米BEAシステムズの創設者兼CEO アルフレッド・チュアング(Alfred S. Chuang)氏

 日本BEAシステムズは、Java対応Webアプリケーション・サーバ製品の最新版となる「BEA WebLogic Server 8.1J」(以下WebLogic Server 8.1)を、4月11日に発売すると発表した。同製品は、2003年夏ごろに登場する同社の統合アプリケーション環境「BEA WebLogic Platform 8.1」のRuntime Engineの役割を果たす基盤的位置付けを持つ。同社では今後、ポータル製品である「BEA WebLogic Portal 8.1」、インテグレーション製品である「BEA WebLogic Integration 8.1」、開発環境である「BEA WebLogic Workshop 8.1」を順次出荷する予定。
 
 来日した米BEAシステムズの創設者兼CEO アルフレッド・チュアング(Alfred S. Chuang)氏は、WebLogic Server 8.1を皮切りとした新製品群の登場を前に、「BEAの戦略は“コンバージェンス(Convergence)”という一言で表現できる」とコメント、企業社内に分散するあらゆる種類のアプリケーションを統合した基幹システムを構築する環境を、BEAが提供するという方向性を示した。

 チュアング氏が指揮するBEAの世界戦略において、日本市場が持つ役割は非常に重要なようだ。「日本ほど独自の規格や技術で企業のITシステムが構築されている市場はない」とチュアング氏が言うように、確かに日本市場では、NEC、富士通をはじめとした国内ITベンダによる独自技術によるシステム構築例が多数存在する。その中には、“レガシー・システム”と成り果てたものも多数残存するのである。だが、このような市場だからこそ、「BEAのソリューションは最適である。BEAは常に世界標準技術をサポートし続け、常にリーディングベンダであり続けてきたし、今後もそうなのだから」とチュアング氏は力説する。

 実際、今回発表したWebLogic Server 8.1は、基幹システムの開発、運用を想定した“ブラッシュ・アップ”を機能改善の主眼に置いている。つまり、いかに信頼性を確保するか、開発と導入をいかに簡単に行うか、パフォーマンスを向上させるためにはどうするのか、運用、管理を効率的に行うには、どのような機能を追加すべきか、などの点に焦点を絞ったのである。
 
 その例として、Webサービス関連の最新標準をいち早く実装した点が挙げられる。その中の1つとして、セキュリティ強化のためにWS-Securityを実装しているが、Webアプリケーション・サーバ製品としては業界初の試みである。また、Webサービス間の動的な接続やワークフローに必須な機能として「Reliable Messaging」を追加している。

 運用管理面では、運用者のタスクフローに合わせた機能が盛り込まれた。従来、サーバの運用管理者は、EJB、JVMなどさまざまな機能を別々に管理するのが当然だったが、WebLogic Server 8.1では、これらの技術を集約し、1コンソール上で統合管理することが可能になった。

(編集局 谷古宇浩司)

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