マニュジスティックス、市場拡大に意欲

2003/4/19

新戦略を説明するマニュジスティックス・ジャパンのデイビッド G.フレンツェル社長

 マニュジスティックス・ジャパンは4月18日、新社長デイビッド G.フレンツェル(David G. Frentzel)氏による新年度の事業戦略を発表した。フレンツェル氏は前社長である稲井秀次氏の後を受け、先月28日に就任したばかり。過去2年にわたり、ストラテジック・ソリューションズ担当バイスプレジデントとして日本市場でのマーケティング活動を統括・推進してきた。この経験を生かし、セールスやコンサルティング、サポートなどのサービスを強化する構えだ。具体的には、(1)新製品のリリース、(2)ソリューション・機能やサービスの拡充、(3)コンサルティング・サービスの拡充、(4)業界別戦略、(5)アジア戦略の継続的な強化、という5つの方策を通じ、シェア拡大を目指すという。

 新戦略の柱となるのは、今年6月にリリース予定の「Manugistics7J(日本語版)」。J2EEやXML、Webサービスなどの標準技術を採用し、完全Webネイティブのアーキテクチャを実現した。これにより、「開発生産性や拡張性が向上し、ユーザーニーズに合ったソリューションを迅速に提供できる」(デイビット氏)という。

 機能面においても、バリューチェーン全体を最適化・可視化するため、(1)在庫配置の最適化や部品サプライヤとの協業を支援する「サービスパーツ マネジメント ソリューション」、(2)最適な価格戦略と販促戦略を支援する「プロモーション・マークダウン最適化ソリューション」、(3)計画系エンジンのデータを元にした「評価分析機能」「例外管理機能」の強化を実現している。特に2点目の価格最適化ソリューションについては、航空業界・ホテル業界で得た実績を生かし、一般消費財業界などへも積極的にアプローチしていく構えだ。

 またコンサルティングサービスの拡充に向け、今年一杯かけて人員を倍増する方針も発表。同社が打ち出しているCPFR(Collaborative Planning Forecasting&Replenishment)ソリューションを支援するため、特にサプライチェーンプランニングのエキスパートを増強していくという。これに伴い、予測パラメータの設定・調整を支援する「Demand Classification」と、サプライチェーン・ネットワークを設計する「SCMモデリング」という2つのサービスも開始し、導入前後のコンサルティングを徹底していく。

 米マニュジスティックスの2003年度売上高は2億7240万ドル。うちアジア・太平洋市場の売り上げは約8%だが、「今年は倍以上の成長率を見込んでおり、中でもけん引役として日本市場への期待は高い」(フレンツェル氏)と語る。これまでは日用品や食品、流通・小売りなどコンシューマ系企業を主要顧客にしてきたが、今後は通信やハイテク業界への積極展開も予定。来月15日に開催される同社カンファレンス「enVISION2003 Industory Conference」では、オリンパス光学工業やサトーなどの事例を中心に、ハイテク業界のグローバルSCM構築ノウハウを提示するという。

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