PHSと無線LANをローミング、日本通信
2003/5/10
DDIポケットからPHSのインフラを借り受けて、独自のデータ通信サービスを提供しているMVNO(Mobile Virtual Network Operator)の日本通信は、PHSと公衆無線LANをシームレスに切り替えることができるローミングサービスを今夏にも開始すると発表した。エリアが広いPHSと高速通信が可能な無線LANの両方を利用できるようにする。
PHSと公衆無線LANのローミングは、日本通信の通信切り替えツール「bアクセス」で行う。日本通信は、公衆無線LANサービスを行っているNTTコミュニケーションズや理経、JR東海、JR東日本/日本テレコムなどと提携しており、日本通信のPHSデータ通信サービス「bモバイル」のユーザーは、各提供会社に申し込むことなく、エリア内で公衆無線LANサービスを利用できる。
日本通信の執行役員 福田尚久氏 |
一般に、公衆無線LANを利用するには、ID、パスワードのほかに、WEPキーやESS-IDなどの設定が必要で、ユーザーがいちいち切り替える必要があった。今夏にも登場するbアクセスの最新バージョンでは、この切り替えを自動化。無線LANのエリア内でボタンを1つクリックするだけで、PHSから無線LANに切り替えることができるようにした。どのキャリアを利用しているかを意識する必要もない。
bモバイルは、専用データ通信カードを購入することで、1年または半年間、PHSのデータ通信が使い放題で利用できるサービス。公衆無線LANの利用は、1日でPHSデータ通信の2日分に計算。つまり、PHSで365日利用できるユーザーが、公衆無線LANを利用すると、利用期間が2日短縮されて363日になる。bモバイルのデータ通信カードは、PHS専用なので、公衆無線LANを利用するには、別に無線LANカードが必要になる。
日本通信の執行役員 福田尚久氏によると、bモバイルのユーザーが利用できる公衆無線LANのアクセスポイントは、全国700カ所だが、「今夏には1000カ所くらいになっていると予測している」という。
(垣内郁栄)
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