村井教授がスペインで語ったIPv6の可能性
2003/5/14
IPv6普及・高度化推進協議会はインターネットの新利用シーンの創造を目的にする「IPv6アプリコンテスト2003・アイデア部門」の受賞作を発表した。アイデア部門はIPv6を活用したアプリケーションのアイデア、企画を募集。実際にアプリケーションを開発して応募する「インプリ部門」は別に募集している。
「IPv6アプリコンテスト2003・アイデア部門」の受賞者。後列右はNTTコミュニケーションズの代表取締役副社長 富田修二氏 |
受賞作は奨励賞、企画賞を合わせて10作品。審査は、慶応大教授でIPv6普及・高度化推進協議会 会長 村井純氏と、NTTコミュニケーションズなどの協賛会社が担当した。受賞者の1人、古川弘子氏は「万歩計とIPv6によるお年寄りの健康管理システム」を発案。万歩計にネットワーク機能を持たせて、1人暮らしの老人の日々の健康状態をリアルタイムに把握するというアイデア。緊急応答システムと連携させて、緊急時に対応できるようにするという。審査員からは、「普及している万歩計をIPv6でインテリネット化するという着目点が面白い」などと評価された。
山本健司氏 ERK IPv6ノード研究会の「ネットワークレーシングカート」は、電動レーシングカートにIPv6対応の無線LANデバイスを搭載させ、ドライバーやピット、中継アナウンサーなどで相互の音声、画像通信を可能にするアイデア。車体の電圧、電流、加速度などのデータを無線LANを介して、ネットワーク上のストレージに記録する。山本氏は受賞会で「この受賞を励みに、インプリ部門までがんばりたい」と述べた。
スペイン・マドリードで講演する慶応大の村井純教授 |
IPv6アプリコンテスト2003・アイデア部門には、日本以外にも米国、オランダ、スロバキア、韓国、インドなどから約50作品の応募があったという。受賞作を含む応募作品はIPv6アプリコンテスト2003のWebサイトで確認できる。
授賞式では、スペイン・マドリードで開催中の「Madrid Global IPv6 Summit 2003」で行われた村井教授の基調講演が、IPv6技術を使って授賞式会場に中継された。村井教授はマドリードの会場で、日本でのIPv6実験の現状を説明。「首相の口からもIPv6という言葉が出ている」と、森喜朗・前首相の発言を紹介。「社会全体がIPv6を推進している」と述べて、“IPv6先進国・日本”を強調した。
(垣内郁栄)
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IPv6アプリコンテスト2003
IPv6普及・高度化推進協議会
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