誰でも使えるBIレポートツール

2003/5/30

 アクチュエイト ジャパンは、レポート機能を重視したビジネス・インテリジェンス(BI)ツールの新バージョン「Actuate 7」を7月に出荷すると発表した。アクチュエイト ジャパンの代表取締役 小島康英氏は、「大手コンビニエンスストアチェーンでは、ActuateのWebレポーティング機能を使って給与支払証明書をアルバイト店員に発行している」と事例を紹介。店員はURLが記入された電子メールを受信、パーソナライズ化されたWebサイトにPCでアクセスし、給与額を確認できるという。同様のシステムは介護サービスの従業員向けにも利用されているといい、情報システム部門だけでなく、一般社員や外部の取引先社員、アルバイトやパート、フリーターなど短期雇用者も利用できるActuateの容易性を小島氏は強調した。

アクチュエイト ジャパンの代表取締役 小島康英氏

 Actuate 7は、ERPやCRM、SCMなど企業の基幹系システムが収集する情報を集約し、必要な担当者に適切な形でレポートするツール。一般的にBIツールというと、操作が難しく情報システム部門などの専任担当者しか使いこなすことができないとされていた。トレーニングや特別なツールが必要なこともあり、「データベースやアプリケーションの情報に直接アクセスできるのは社員のうち、5%〜10%にすぎない」(アクチュエイト)という。

 Actuate 7の特徴は、一般社員がオフィススイートを使うのと同じ感覚で基幹系システムから情報を取り出すことができること。新機能の「アクチュエイト クエリ」では、Webブラウザを使ってさまざまなデータリソースにアドホック分析をかけることができる。非定型の疑問に対する回答を抽出可能。一般社員でも操作トレーニングなしに利用できるという。

 一般社員によるレポート作成を可能にする「e.Spreadsheet Designer」は、ドラッグ&ドロップのGUI操作だけで独自のレポートを作成、配信できるよう機能が拡張された。「Microsoft Excel」と同様のストレッドシートインターフェイスを採用。SQLの知識がなくても、わかりやすいレポートを作成できるという。米アクチュエイトの副社長 プロダクトマーケティングのマイク・トーマ(Michael Thoma)氏は、「Excelのユーザーなら15分のトレーニングで利用できる。エンドユーザーにレポート作成、配信などの権限を委譲することで、情報システム部は本来の仕事に専念できる」とメリットを説明した。

 エンドユーザーにBIの権限を委譲する場合、情報システム部によるアクセス管理が重要になる。Actuate 7はデータリソースの管理ツールとして、「インフォメーションオブジェクト デザイナ」を用意。情報システム部が社員個人やグループごとにアクセスできるデータの範囲を設定できる。アクチュエイトは、Actuate 7で年間80社の導入を目指すとしている。
 
 今年4月に代表取締役に就任した小島氏は、顧客やパートナーを回った際に「Webレポート分野での爆発的な成長の可能性を感じた」いう。コンビニエンスストアや介護サービス向けなど「需要ががんがん出てきている」状態といい、手ごたえを感じ始めている様子だった。

(垣内郁栄)

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アクチュエイト ジャパン

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