Exchange Serverで燃え上がるMicrosoft EDC
2003/8/6
米マイクロソフトのDirector of Program Management Exchange Server Group テリー・マイヤソン(Terry Myerson)氏は、同社のシステム運用担当者向けイベント「Microsoft Enterprise Deployment Conference」(EDC)で講演し、ライセンス販売を開始した「Exchange Server 2003」と、マイクロソフトのサーバ製品の今後のロードマップについて説明した。
米マイクロソフトのDirector of Program Management Exchange Server Group テリー・マイヤソン氏 |
マイヤソン氏は、マイクロソフトがサーバ製品で注力しているサービス分野を「認証のフェデレーション」「セキュリティ」「一元管理」「メッセージ、データ&スキーマ」「プロセス&ワークフロー」「システムマネジメント」の6つに分類。それぞれの分野に「Active Directorry」や「Internet Security and Acceleration Server」(ISA)、「BizTalk Server」などのサーバ製品を割り当てたうえで、「これらをWebサービスで連携させることで、企業の情報システムを統合し、投資対効果の向上を実現できる」と指摘した。
マイヤソン氏が力を入れて説明したのがライセンス販売を開始したばかりの「Exchange Server 2003」。マイヤソン氏はExchange Server 2003の新機能を「生産性の向上」と「基幹業務としての信頼性」「シンプルな運用管理」の3つの特徴を挙げて紹介した。新機能のうちで生産性の向上をもたらすのがクライアントとなる「Outlook 2003」との連携強化。マイヤソン氏はOutlook 2003の新機能として、オンライン、オフライン時にExchange Server 2003とOutlook 2003を同期させる「Exchangeキャッシュモード」や、Windows Server 2003をプラットフォームにすることで実現できるVPNなしのセキュアなサーバ接続、Outlook 2003と同等のインターフェイスを備えた「Outlook Web Access」などを挙げた。
基幹業務としての信頼性でマイヤソン氏が強調したのは、セキュリティ機能。Outlook 2003に搭載されるアンチウイルス機能や、Exchange Server 2003自体に追加されるアンチウイルス機能を説明した。また、バックアップ/リストアが電子メールサーバの管理でコストがかかっているとして、「Windows Server 2003のボリュームシャドーコピーを利用することでコストをかけずに、その場で素早くバックアップできる」と述べた。
運用管理では、企業が運用している複数のサイトを統合し、運用コストを下げられる点をアピール。Exchange Server 2003はWindows Server 2003 Enterprise Edition/Datacenter Editionと組み合わせることで、最大8ノードクラスタまでをサポート。マイクロソフトは実際に、Windows Server 2003上に4ノード/8ノードクラスタを構築し、同社の日本、中国、韓国、台湾、シンガポールのExchange Server 2003を単一のサイトに統合したという。
マイヤソン氏はサーバ製品のロードマップについても説明。システム運用管理のスイート製品「System Center Suite」を2004年にも出荷することも明らかにした。System Center Suiteは、企業内クライアントPCのセキュリティ管理を行う「System Management Server 2003」と、サーバ監視ツールの「Microsoft Operations Manager 2004」で構成されるスイートになる予定。マイクロソフトは、「Windows Powered NAS」の後継でストレージの仮想化サービスなどを提供する「Windows Storage Server」も2003年から2004年にかけて出荷するという。
(垣内郁栄)
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