清水建設が建てた「IPv6ビル」の実力
2003/9/4
清水建設は、IPv6テクノロジを活用しビル内の設備や機器を効率的に制御できる統合管理システムを開発、東京・江東区の同社サイバー実験棟に実用化第1号を導入したと発表した。ビル館内の照明や空調の1台1台にIPアドレスを割り当てることで、きめ細かく制御できるようにした。
通常のオフィスビルでは、電気や空調、防犯・防災、ネットワーク、電話などが別々のシステムで構築、配線されている。LonWorksやBACNetといったビル管理専用のプロトコルを使い、ビルのフロアーやゾーン単位で設備を統合的に管理するシステムも利用されているが、設備や機器の1つ1つを制御する細やかな調整は、専用のオペレータがマニュアル操作で行う必要があった。
清水建設が開発したIPv6を利用した統合ビル管理システムは、ビル館内の設備や機器にIPアドレスを割り当てることで、空調や照明、温度、湿度、鍵制御などのシステムを1つに統合し、一括管理する。IPアドレスを割り当てられた設備、機器はインターネット経由で管理、制御できる。ビル管理会社は、入居者の要求に適切にこたえることができ、管理コストも低く抑えることができる。
ビル設備の管理や制御は専用端末だけでなく、インターネットに接続したPCやPDAからも可能。IPv6の高いセキュリティ性能を生かし、ビル外部からのデータ収集や制御もできるようにした。清水建設は今後、IPv6を利用した統合ビル管理システムの実案件への導入を目指すという。
(垣内郁栄)
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清水建設の発表資料
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