トレンドの次世代ウイルス防御システム登場
2003/9/10
トレンドマイクロ プロダクトマーケティング 山崎裕二氏 |
トレンドマイクロは9月9日、ウイルスバスターの新製品「ウイルスバスター2004 インターネット セキュリティ」(8500円)を10月24日に発売すると発表した。年間販売目標本数は150万本。ウイルス対策に加え、プライバシー保護、ハッカー/不正侵入対策、有害サイトアクセス規制、スパイウェア対策、迷惑メール対策など新たな機能を10以上追加している。その基本コンセプトは「次世代のウイルス脅威に対抗できるウイルス防御システム」である。
お盆休みに猛威を振るったMS Blastは、従来型のコンピュータ・ウイルスとは異なる性質を持っていた、と同社では指摘する。その特徴は、セキュリティ・ホールを悪用し、通信パケットで攻撃、超高速で感染規模を拡大するというものだ。トレンドマイクロ プロダクトマーケティング 山崎裕二氏はこのような新型のコンピュータ・ウイルスを「ネットワークウイルス」と命名し、次世代の脅威と位置付ける。
ネットワークウイルスの登場によって浮き彫りとなった問題点は3つある。(1)OSのセキュリティ・ホールを狙って攻撃を仕掛けてくる限り、ユーザーが自主的にセキュリティ・ホールを防ぐ努力をしないと感染を防ぐことが難しいという事実、(2)コンピュータ・ウイルス自体が技術的に『進化』を遂げ、通信パケットを使用するなどのハッキングの技術を応用し始めたこと、(3)コンピュータ・ウイルスのタイプそのものが変貌し、独自プログラム化(ワーム化)してきたため、従来のような「駆除」プログラムが適用されない、などの問題だ。さらに、このような次世代ウイルスを媒介にして、現段階で問題視されているさまざまな攻撃が加えられる危険性も指摘できる。
このため、「ウイルスバスター2004 インターネット セキュリティ」では従来、3つのアップデートサービス(「ウイルス対策エンジン」「ウイルスパターン」「スパイウェアパターンファイル」)に加え、「ファイアウォールドライバ」「ネットワークウォールドライバ」「ネットワークウイルスパターンファイル」「迷惑メール検索エンジン」「迷惑メール判定パターンファイル」「ウイルス感染自動修復プログラム」「ウイルス感染自動修復パターンファイル」を追加し、ネットワーク上のあらゆる脅威を水際でせき止めようとする。
攻撃が巧妙、凶悪の度合いを深めていくにつれて、防御側の対策も精緻(せいち)を極めていく。つまり、セキュリティソフトにより多くの機能が搭載されるわけだが、同社では性能が複雑になることで、逆にユーザー・インターフェイスはできるだけ簡単に改良し、あらゆる操作を2クリックで行えるようにした、という。確かに、ここまでくると1ユーザーの手に余る膨大な『防御策』が必要になっている。2クリックどころか、インストールすれば万全の防御体制が敷かれるということはないのだが。
(編集局 谷古宇浩司)
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