「ちょうどいい機能をちょうどいい価格で」、日本IBM
2003/10/7
日本IBM 理事 ゼネラル・ビジネス事業部長 大石憲司氏 |
日本IBMは10月6日、中堅・中小企業市場向けの新たな事業戦略を発表した。同戦略は、製品・サービスとビジネス・パートナー支援の2つの「戦術」を軸に展開する。統括するのは同社ゼネラル・ビジネス事業部で、販売ルート開拓などに50億円の投資を行うほか、ビジネスパートナー支援要員を100人程度増強配備する。
ゼネラル・ビジネス事業部には従来約1000人のスタッフがいたが、ビジネス・パートナーのサポートを専任とするスタッフはほとんどいなかったのが実状。同社には別にビジネス・パートナー事業部があり、パートナー・サポートは主にビジネス・パートナー事業部が担当していた。今回、ゼネラル・ビジネス事業内に設けられるのは、中堅・中小規模の顧客をビジネス対象とするパートナー向けのサポート部門で、ビジネス・パートナー事業部とは別個の働きを行うことになる。また、商品企画などもゼネラル・ビジネス事業部で行う仕組みも構築する。
日本IBM 理事 ゼネラル・ビジネス事業部長 大石憲司氏は「中堅・中小企業市場では、インフラの整備は終了した段階だと認識している。しかし、具体的なアプリケーションの構築はまだこれらからの段階」と話す。特に、Webベースのアプリケーション構築は今後の課題であり、中堅・中小企業にとっても導入に関しては手探り状態だという。このような状況を同社では、新たなプログラムを提供することで打開していくつもりだ。コンセプトは「ちょうどいい機能をちょうどいい価格で提供」(大石氏)することにある、としている。
製品・サービス面では「IBM Express ポートフォリオ」サービスを開始。ソフトウェア(WebSphere Portal Express V5.0など)とサーバ(IBM eServer pSeries 615/630/650)、サービス(ブロードバンド企業パックなど)といったシステムをパッケージとして格安で提供する。ラインアップは今後順次拡大していく。
パートナー向けの支援策では、営業およびハードウェア分野の支援策として、専用Webを通じて情報提供を行うなどの「SMBアドバンテージ」やソフトウェア分野の支援策として、新規の顧客を開拓していく施策「バリュー・アドバンテージ・プラス(VAP)」とチャネル開拓の施策である「ソフトウェア・バリュー・ディストリビュータ(SW-VAD)」(キヤノン販売、ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、コンピュータ・ウェーブが参加)などを展開していく。
(編集局 谷古宇浩司)
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