高品質ネットワークを低価格で、マネージドサービスが拡大
2003/10/10
通信キャリアが提供するマネージドサービスの注目が高まっている。ネットワークやサービスの運用はもちろん、通信機器や保守、サポートなどをキャリアが請け負うことで、顧客企業はコストを下げられる。初期投資コストも低く、短期間の構築でキャリアの高品質なサービスを利用できる特徴もある。
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| ノーテルネットワークスのProduct Solutions Director レイ・テスク氏 |
通信キャリア向けにマネージドサービスで利用する通信機器を提供しているノーテルネットワークスのProduct Solutions Director レイ・テスク（Ray Teske）氏はマネージドサービスについて、「自前のネットワークや通信機器を持つことが難しい中小規模の企業でも、最新のネットワークサービスとサポートを受けられる」と説明。キャリアにとっても「顧客に近いところで幅広いサービスを提供できる」とメリットを述べた。
ノーテルネットワークスがキャリア向けに提供しているのは、VPN関連の製品が中心。IPSecを使ったVPNの通信機器「Contivity」では、日本テレコムが「ODN-BizマネージドVPNサービス」の名でインターネットVPNサービスを提供している。企業の本社などネットワークのセンターサイトに「Contivity 2700」などシリーズの上位機種を設置。支社などサテライトサイトには「Contivity 1010」などエントリモデルを置いて、ADSLを始めとする一般のインターネット回線を使ってVPNを構築する。VPN機器の価格や保守、サポート費用は月額料金に含まれているので、企業は初期投資コストを抑えることができる。
ODN-BizマネージドVPNサービスは、Contivityが持つユーザー認証のLDAP機能を利用して外出先のノートPCやSOHOから直接、センターサイトにVPNで接続できる「リモートアクセス」もオプションサービスとして用意している。ユーザー認証にはContivityのLDAP機能を利用する方法のほかに、顧客企業が別にRADIUSサーバを設置する方法もある。
一般のインターネット回線を利用するインターネットVPNでは、ネットワーク障害をどう避けるかがサービス品質のポイントになる。ODN-BizマネージドVPNサービスはセンターサイトのVPN機器を二重化したり、インターネット回線の障害に備えて、ISDN回線など別の回線に自動で切り替えるバックアップサービスも用意している。
SSL-VPNも注目を集めているサービス。ノーテルは通信キャリアのマネージドサービス向けに「Alteon SSL Accelerator」などVPN機器を提供している。SSL-VPNは通信の暗号化にWebブラウザが備えているSSL（Secure Sockets Layer）を利用する。SSLはレイヤ5に属するプロトコル。TCP/IP接続ができていればどこからでも暗号化通信が利用でき、ノーテルでは不特定多数からのVPN接続やエクストラネット内での利用に適している、としている。また、Webブラウザを使ってHTTP通信を行うため、ネットワークにファイアウォールなどセキュリティ機器を設置していても、設定変更なしにVPNが利用できる。
ノーテルは、オプティカルメトロネットワークのマネージドサービスを提供するキャリア向けにも「Optera Metro」などの光伝送装置を提供している。オプティカルメトロネットワークは、企業が帯域を自由に使えたり、外部ネットワークと独立しているため安全性が高いなどメリットは多い。しかし、光ファイバの調達や高度なエンジニアリング、ネットワーク監視の難しさなど、企業が独自に構築、運用するにはハードルが高く、マネージドサービスのニーズが高まっている。
ノーテルのプロダクトソリューションズ オプティカルプロダクトマーケティング 小林智典氏によると、北米では金融業でオプティカルメトロネットワークの導入が先行。さらに公共団体や製造業などに普及が広がりつつあるという。日本でも同じ傾向があり、セキュアなネットワークを求める金融業が先行し、公共団体や製造業が続くとみられている。
（垣内郁栄）
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ノーテルネットワークス
日本テレコム
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