グループ経営管理を効率化、SAPが機能追加

2003/11/7

 SAPジャパンは同社の会計ソフト群「mySAP Financials」に含まれる「SAP SEM」「SAP FSCM」「SAP Compliance Management for Sarbanes-Oxley」の各ソフトを機能強化し、2004年第1四半期に出荷すると発表した。子会社を複数持つグループ企業の経営管理や財務管理、コンプライアンス(法令順守)管理の機能を強化したのが特徴となっている。

SAPジャパンのバイスプレジデント マーケティング本部長 兼 ソリューション本部長 玉木一郎氏

 SAP SEM3.5は連結会計作成を支援する。これまでSAP R/3で提供してきた連結機能をSAP SEMに移行。グループ子会社の情報を集計し、連結会計の作成を自動で行う。作成した財務データをXBRLのフォーマットでレポーティングする機能もある。営業データを保存するデータウェアハウス「SAP BW」と連携し、事業計画の策定とシミュレーションを行うこともできる。SAPジャパンのバイスプレジデント マーケティング本部長 兼 ソリューション本部長 玉木一郎氏は「集計作業や連結処理、レポート作成など本社の業務が自動化され、経営戦略部門が事業ポートフォリオの策定など本来の業務に集中できる」とメリットを説明した。

 SAP SEMをはじめ、SAP FSCM、SAP Compliance ManagementともプラットフォームとしてJ2EE、.Netに対応したアプリケーション基盤「SAP NetWeaver」を採用している。そのため、子会社がSAP R/3を使っていなくても情報を取りまとめて、事業計画や連結会計に生かせる。「SAP製品の土台が一切なくてもグループ経営の管理が可能になる」(玉木氏)という。

 SAP FSCM2.0はグループ子会社の財務を統合し、“企業内銀行”を作るソフト。子会社が個別に銀行とやりとりしたり、資金を調達すると、それぞれに手数料や金利がかかり、グループ全体で無駄なコストが発生する。SAP FSCMはグループ子会社と本社の会計と統合し、資金計画や資金決済、貸借管理を行う。SAP FSCMはWebサイト上で請求と支払依頼ができる「Web請求」機能が追加された。

 SAP Compliance Management for Sarbanes-Oxleyは、粉飾決算事件を受けて、2002年7月に米国で制定された「Sarbanes-Oxley」(企業改革法)に対応し、企業のコンプライアンスを管理するソフト。伝票の改ざんなどを監視し、犯罪を未然に防止する内部統制機能と、匿名での内部通報を可能にする機能がある。企業に対する内部統制の強化は米国だけでなく、国内でも研究が始まっていて、将来的に法制化される可能性がある。SAPでは米国での上場企業、上場予定企業のほかに、将来のコンプライアンス要件を先取りして導入した国内企業も有効に利用できるとしている。

 SAPは2004年度中にSAP SEMを40件、SAP FSCMを15件、SAP Compliance Managementを10件導入するのを目標としている。

(編集局 垣内郁栄)

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SAPジャパンの発表資料

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