パワードコムとフュージョンが電話事業の統合を検討
2003/11/19
東京電力系の通信会社、パワードコムはIP電話サービスを展開するフュージョン・コミュニケーションズと電話事業を統合することで検討を始めた、と発表した。パワードコムの電話事業を分離し、フュージョンに統合させることを前提に両社は協議する。2カ月以内の基本合意を目指す。
パワードコムとフュージョンは両社長を主査とする「統合検討委員会」を設置。電話事業統合の事業性や将来性について検討する。2カ月以内に基本合意をし、来年早期に最終合意をする計画。2004年度早期に事業を統合することを目指す。
パワードコムの取締役社長 白石智氏 |
パワードコムとフュージョンは今年10月末に資本提携。パワードコムがフュージョンに5億円出資した。ネットワークを相互で利用することや、フュージョンの法人向けIP電話サービスで、パワードコムの広域イーサネットサービス「Powered Ethernet」を利用することなどで合意した。また、フュージョンが持つIPネットワークをパワードコムのIP電話ネットワークに利用することも決めた。
パワードコムの取締役社長 白石智氏はフュージョンとの電話事業の統合検討について、「パワードコムのインフラでフュージョンのVoIP技術を生かすことができる」と期待感を示した。パワードコムは個人向けインターネット・サービス・プロバイダ事業をドリーム・トレイン・インターネットに統合する検討を開始することも発表した。
パワードコムが11月18日発表した2003年9月中間期決算は、経常損失が72億円の赤字となった。営業収益は825億円。電話事業や専用線などの黒字維持と、IP電話やイーサネット事業の早期黒字化を目指したことで赤字決算になったという。
今年8月にサービスを開始した法人向けIPセントレックス事業は約250社と商談中で、数社と契約。5月に始めた個人向けIP電話サービスとあわせて営業収益は1000万円となった。法人向けデータ通信事業は、Powered Ethernetなどネットワークサービスと、インターネット接続サービスが不調で18億円の営業損失となった。ただ、Powered Ethernetなど広域イーサネットサービスの利用企業数は着実に伸びているという。下期にPowered Ethernetの通信機器をバージョンアップし、高信頼性と高機能を実現する計画。ギガビットイーサネットへの対応やQoSなど付加サービスを強化する。
(編集局 垣内郁栄)
[関連リンク]
パワードコムの発表資料(電話事業の統合)
パワードコムの発表資料(中間決算)
フュージョン・コミュニケーションズ
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