UNIXではなく「IAサーバでいけると肌で感じている」、デル
2003/12/9
デルコンピュータからデルへと社名を変更したが、その勢いは変わらず、好調が続いているようだ。
デル デル・プロフェッショナル・サービス事業部 技術統括部長 諸原裕二氏 |
デルの中でもとりわけ好調なのが、システムを構築する部隊であるデル・プロフェッショナル・サービス事業部だ。日本の同事業部の好調ぶりから、今後アジアを含め各国に同じような部隊を設置。全世界での売上増を狙う。
そのデル・プロフェッショナル・サービス事業部 技術統括部長 諸原裕二氏は、現在ITを利用する部門にいくつかのプレッシャーがかかっているという。経済環境の変化によるコスト削減と競争激化、初期投資だけでなく運用管理を含めたコスト削減、そして使いやすいシステムであることだ。そういう中にあり、同社がユーザー企業に提案するのは当然IAサーバとなる。少し前ならば確実にUNIXに奪われた商戦も、いまは違うという。諸原氏はそれを「IAサーバでいけると肌で感じている」と表現した。
ハードウェアの世界も3階層の概念で語るのであれば、Tier1のインフラストラクチャを支えるWebサーバやファイルサーバ、プリントサーバなどでは、IAサーバがこれまでも強みも発揮してきた。しかし、アプリケーションサーバなどのTier2、EPP、CRMなどのTier3のレベルでも、諸原氏によれば「従来はUNIXベースだったが、現在はIAサーバを真剣に検討している」と語る。気になるのはIAサーバのうち、WindowsとLinuxのどちらの環境が多いかだ。正確な数についてはデルからコメントはなかったが、伸びはLinuxの方が多いという。
サーバではなく、デル|EMCの共同ブランドによるストレージの訴求ポイントはどこか。それは、エンタープライズシステムズ マーケティング本部 ストレージマーケティング マネージャ 中村智氏が語った「成長に合わせた投資が可能だ」という言葉に表れている。ストレージ投資もスケールアップをやめてスケールアウトでいこうという提案だ。一般にストレージの場合、SANを持ち出すまでもなく、初期投資にはかなりの費用がかかる。それをビジネスの拡大に合わせ、ストレージをモジュール化し、そのモジュールを増やしていけばいいようにする、という発想だ。
しかし、最近ではサービス提供会社が打ち出しているのは、必要なリソースを必要なときに提供するといったプロビジョニングやユーティリティ・コンピューティングといった次世代のサービスだ。デルのビジネスモデルではあくまでもハードウェアの購入(むろんリースなどの手法があるにしても)を前提としているが、そうした戦略を持たないのだろうか。
中村氏は「そこに至る以前の段階のユーザーが多い。取りあえずは現在あるサーバをIAサーバに、ストレージをモジュール化して効率化することが先」と語り、大手ハードベンダの取り組みなどとは一線を画す。どうやらそれがデルの戦略のようだ。
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