オラクルと日立、ICチップ利用システムを共同開発
2003/12/18
日本オラクルと日立製作所は、ICチップを利用した次世代型のロジスティックシステム「リアルタイム・トレーサビリティ・システム」を共同開発したと発表した。
ミューチップを使ったOracleWorld Tokyoの入場パス。ロゴとバーコードの間にゴマ粒大のミューチップが埋め込まれている |
ICチップを開発したのは日立。「ミューチップ」の名称で、0.4ミリ角と世界最小クラスの非接触ICチップ。製造工程でデータをROM(読取専用メモリ)に書き込むことから書き換え不能で、データの真正性が保つことができる。
日本オラクルが提供したのは、位置情報を活用したシステム開発を支援するためのフレームワーク「Oracle LBS(Location Based Services)フレームワーク」。移動体の位置の検索や通知、登録といった機能があり、これを利用することによって、既存のビジネスデータと位置情報を連携させるシステムの開発が容易になる。
両社はこの2つのテクノロジに既存のGPS(位置情報システム)を組み合せることで、リアルタイム・トレーサビリティ・システムを完成させた。
リアルタイム・トレーサビリティ・システムは、配達する荷物の箱、荷物本体、あるいは伝票などにICチップを取り付け、それをドライバーがICチップリーダと、既存のGPS受信機を取り付けたPDAなどの端末で読み取る。その情報はGPS経由で、Oracle LBSフレームワークを基盤に構築された物流センターのシステムに送られる。それによって、配送車の現在位置や検索の対象荷物の所在、荷物の属性情報などをリアルタイムに把握できる仕組みになっている。非接触ICチップを使用することから、箱を開けずに荷物の配送先や配送指定時間などICチップに記録された情報の読み取りが可能で、伝票の記載が不要になるなど物流業務の効率化が期待できる。バーコードと異なり、汚れや形状の変化でデータを読み込めないという問題点も解決されるという。
リアルタイム・トレイサビリティ・システムは、12月17〜18日に東京ビッグサイトで開催中の日本オラクル主催のイベント「OracleWorld Tokyo」で展示される。「OracleWorld Tokyo」では、ミューチップを使用した来場者の管理システムが、日立のIAサーバ HA8000とミラクル・リナックスのMIRACLE LINUX、Oracleデータベースで構築される。また展示会場でも、Oracle Database 10gとミューチップの組み合わせによる来場者管理システムのデモンストレーションが行われる。
(吉田育代)
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