月額300円でIPv6、NTT東日本が新サービス
2004/1/14
NTT東日本はIPv6を使いユーザーのPC同士を直接接続し、ファイル転送などが利用できる新サービス「FLET'S.Net」(フレッツ・ドットネット)を1月6日に開始した。Bフレッツ、フレッツ・ADSLを利用しているコンシューマユーザーがメインのターゲットだが、フレッツ回線を利用している中小企業やSOHOの顧客も活用可能なサービスだろう。
FLET'S.NetはユーザーのPCにIPv6のIPアドレスを付与し、ユーザー同士が直接通信できるようにするサービス。NTT東日本の閉域ネットワークであるフレッツ網内で通信させるため、インターネットの公衆回線と比較してセキュリティが強固で、ネットワークも安定しているという。IPv6を使ったことで数多くのPCに対してIPアドレスを付与できることになった。IPv6のIPアドレスはネットワークに流れるプレフィックス情報と、端末のMACアドレスを使って自動生成される。
ユーザー同士が通信する場合は、IPv6のIPアドレスを分かりやすい英数字に変換した「FLET'S.Netネーム」を利用する。長大なIPアドレスを指定しなくてもFLET'S.Netネームを使うことで簡単に相手ユーザーを指定、登録できる。
FLET'S.Netで提供されるアプリケーションは、ユーザー同士のファイル転送、ビデオチャット、ファイル共有。専用のクライアントソフトで利用する。料金は1契約当たり月額300円。ファイル共有用のディスクスペースは当初は100MBだが、月額300円を追加で支払えば、1GBに拡張できる。
NTT東日本 サービス開発部 フレッツサービス推進室 IP市場開拓担当 担当課長 石川達氏 |
PCを直接接続できるFLET'S.Netを使い別のアプリケーションも展開できるだろう。その1つは中小企業、SOHO向けのアプリケーションだ。もちろん、フレッツ回線を利用する中小企業の支社間でFLET'S.Netのファイル転送、ビデオチャットなど行うというVPN的な利用もあるのではないか。だが、NTT東日本 サービス開発部 フレッツサービス推進室 IP市場開拓担当 担当課長 石川達氏は、「企業向けにはNTT東日本がすでに提供しているVPNサービスのフレッツ・オフィス、フレッツ・グループアクセスが適しているが、お客様のニーズによってFLET'S.Netも合わせて利用できるのではないか」という。
つまり企業内や支社間のVPNにはフレッツ・オフィスやグループアクセスを利用し、社内の小規模な臨時のチームなど、扱うファイル容量が比較的小さいグループでは小回りがきくFLET'S.Netを利用するといった活用だ。中小企業、SOHOにとっては月額のコストが1契約当たり300円と低廉なのも大きなアピールポイントになるだろう。
NTT東日本は、FLET'S.Net向けの新規アプリケーションを掘り起こそうと、FLET'S.Netのインフラ上でアプリケーションを提供するxSP向けの新サービス「FLET'S.Net EX」を開始した。xSPはFLET'S.Netのユーザーに対して、コンテンツやアプリケーションの配信が可能になる。同一パケットを複数のPCに同時配信するマルチキャスト配信も利用できる。xSPだけでなく、ユーザー企業が支社に同じ映像コンテンツを配信するという使い方も考えられる。
FLET'S.Netは東京、神奈川、千葉、埼玉でスタート。2月以降NTT東日本のサービスエリア全域に順次広げる。既存のアプリケーションに加えて、中小企業にとっても魅力的なアプリケーションを開拓できるかが、普及の鍵になる。
(編集局 垣内郁栄)
[関連リンク]
NTT東日本「FLET'S.Net」のページ
NTT東日本の発表資料
[関連記事]
月1万円前後の中小企業向けIP電話、村井純教授が絶賛
(@ITNews)
ジュニパー、xSPの不況脱出を助けるエッジルータ
(@ITNews)
IPv6対応のCORBA技術を基盤に、ボーランドの新APPサーバ
(@ITNews)
村井教授がスペインで語ったIPv6の可能性
(@ITNews)
「30分で利用できるIPv6」の実証実験
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|