ジュニパー、xSPの不況脱出を助けるエッジルータ

2003/7/3

 エッジルータやコアルータなど、通信事業者向けネットワーク機器の開発、販売をしているジュニパーネットワークスは、通信事業者の新たな収益源になると期待される新製品群を発表した。それが2001年に通信事業者のエッジ・ネットワークの拡張させるために投入した小型ルータ(Eシリーズ)の新製品、「ERX-310」だ。通信事業者が小規模市場でもサービスを提供できるようにする製品。低密度なアクセス・ポイントの配備を低価格で実施でき、高い費用対効果を実現できるという。また、ブロードバンド・リモート・アクセス・サーバ機能をIPv6にも対応させるなど、機能も拡充させている。

ジュニパーネットワークスが発表した「ERX-310」

 米ジュニパーネットワークスの日本/アジア太平洋地域担当マーケティング・ディレクタのアンディー・ミラー(Andy Miller)氏は、「できるだけ少ないリソースコストでより大きな成果を生みたい、またはより少ないコストで新サービスをスタートさせたい通信キャリアのニーズにこたえられる製品」だと述べた。60%のシェアを獲得している大型ルータ市場での同社の実績を、小型ルータ市場にも生かしたい考えだ。

 合わせてジュニパーネットワークスが発表した大規模ルータ「Mシリーズ」専用の「イーサネット・サービスPIC(物理インターフェース・カード)は、通信事業者の階層型イーサネット・サービスを実現するVLAN(バーチャルLAN)単位のQoS(サービス品質)とアカウンティングを提供する。インターフェイス・モジュールに、バーチャルプライベートLANサービス(VPLS)「Kompella」が新機能として追加される。ゾーン領域を越えたサービスが提供できるようになり、新しい市場にスムーズに進出できるようになるという。

米ジュニパーネットワークスの日本/アジア太平洋地域担当マーケティング・ディレクタのアンディー・ミラー氏

 VPLSは拡張性に優れた透過型LANサービスとして、現在IETFのワーキンググループで審議中の規格。同じイーサネットLAN上で、IP/MPLSベースの、マルチポイント・ツー・マルチポイントの通信サービスが実現でき、複数のゾーンにまたがる通信にも対応できるようにするものである。

 今回、発表した製品について、アンディー氏は「ルータのコスト削減以外にも、VPLSは通信事業者がネットワークを統合して変革する際に、大きな力を発揮する」と語った。ネットワーク環境を統合する際に問題となる、他社製品との相互運用性については、「シスコをはじめとする他社製品との相互運用性は確認済みである」とし、ジュニパー製品が通信事業者の「ネットワーク統合変革」の大きな助けになるとアピールした。

(編集局 富嶋典子)

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