キーワードは気づき、新しい形の人事組織ソリューション

2004/2/10

サンブリッジ 代表取締役社長 アレン マイナー氏

 ベンチャーキャピタルにおける投資の成功モデルは、10件のうち2件が大成功、そして成功よりも1件多い3件が大失敗。そして残り5件が「Live Dead」、つまり成功もせず、失敗もしていない企業となる(米国などではゾンビ企業と呼ばれることもある)。これならば米国では大成功だと指摘するのは、サンブリッジ 代表取締役社長 アレン マイナー氏だ。さらには、このLive Dead企業の1社でも成功に持っていければ、さらなる大成功となる。

 サンブリッジが2月9日に開催した新会社設立の記者発表は、まさにこのLive Deadという言葉がキーワードであった。マイナー氏は、「これは企業だけではなく、大企業の社員も同じ。夢もなく会社に通うだけでいっぱい」だという。こうした企業の組織・個人を再活性化し、企業の業績を上げる、それがサンブリッジの100%出資の子会社、サンブリッジ ヒュ−メトリクスが担う事業となる。

 具体的な手段として、企業と契約し、問題のある組織(部門)、個人などの問題を把握するため、アセスメントを行う。それを基にして社員へのカウンセリングを行っていく。さらに必要な場合、コーチングを行い、さらに不足する人材が表面化する場合、人材採用支援までを行う。同社ではこれをACCH(Assessment, Counseling, Coaching, Hiring)アプローチと呼んでいる。

サンブリッジ ヒュ−メトリクスの代表取締役社長 百瀬公朗氏

 この手法の中心にあるのは、“気づき”だ。サンブリッジ ヒュ−メトリクスの代表取締役社長に就任した百瀬公朗氏は、「一般的な人事コンサルティングソリューションは制度や運用、教育を重視するソリューションは研修、コーチング」が主になると語る。が、同社のコンセプトはカウンセリングを重視することであり、「人に軸を置いた」ソリューションだと強調する。

 当初はIT業界の大企業を中心に直販・パートナー営業職、IT技術職(プロジェクトマネージャ/SE)、ITサポート職(コールセンターのオペレータ)などを対象とするが、実績を上げていく中で、「製薬企業のMRや保険会社のライフプランナーなど」(百瀬氏)にも職種を広げ、業容拡大を図りたい意向を示した。当初は「今年度プロジェクトしては22、売り上げは2億円弱」を目標に掲げる。

 IT業界だけではなく、多くの日本企業が追い求めているのが、少数精鋭の即戦力であり、さまざまな状況に即応できる人材だろう。少子化時代の中で新卒採用はなるべく控え、そして新卒・中途採用にかかわらず、全社員を戦力化したい。が、実際の企業組織、個人はさまざまな問題を抱え、組織が有効に働いていない、上司と部下との関係がぎくしゃくする、社員のモチベーション低下が業務効率の低下を招く。こうしたサービスが生まれるのは、経営的にみれば、アジア各国の中で最も給与の高い日本において、こうした組織や個人の非効率などにより、業務に悪影響が及ぶのを放置することが許されない、ということだろう。

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サンブリッジの発表資料

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