Notesと連携、シスコがリコーにIP電話を1200台導入
2004/3/11
シスコシステムズは、2004年2月に移転したリコーテクノシステムズの新本社に約1200台のIP電話を導入したと3月10日に発表した。3月末までにIP電話とグループウェアとの連携を可能にする「Cisco Unity」も導入する予定。音声とデータのネットワークを統合することで、今後1.8億円のコスト削減を見込んでいる。
リコーテクノシステムズは3カ所に分散していたオフィスを統合し、今年2月に新本社に移転。移転に合わせてIP電話を導入した。導入したのはIP電話が「Cisco IP Phone 7960G」など4機種。サーバとして「Cisco CallManager 3.3」を新本社内に設置した。既存のPBXを新本社に移設するコストと、IP電話導入による音声、データ統合に対する投資がほぼ同じだったこと、PBXの機能をIP電話の機能で置き換えられること、短期間でシステムを自社構築できること、IP電話とほかのアプリケーションとを連携させられること、などがIP電話を導入した理由となった。
もちろん、IP電話導入によるコスト削減効果も期待していて、リコーテクノシステムズは、システム運用に関するコストを、トータルで1億8000万円ほど減らせると見込んでいる。また、PBXでは組織変更や人事異動のたびに専門のエンジニアが設定を変更する必要がありコストがかかっていたが、IP電話では設定変更が容易になり、年間1000万円程度のコスト削減ができるとみている。これまで電話は総務部門、データネットワークはIT部門と担当が分かれていたが、IP電話で音声とデータのネットワークを統合したことでIT部門が一括して管理可能になり、管理コストの削減にもつながると期待している。
リコーテクノシステムズとシスコには、IP電話の導入を業務効率の向上に役立てる狙いもある。3月末までに導入する予定のCisco Unityを使って、リコーテクノシステムズが従来から使っているグループウェア「Lotus Notes/Domino」にボイスメールをプッシュ型でユーザーに知らせる機能を追加する。リコーテクノシステムズは従来からボイスメールを使っていたが、ユーザー自身が問い合わせる必要があり、業務が中断する要因になっていた。Cisco Unityを導入することでユーザーは、ボイスメールの内容をLotus Notes/Domino上で音声を聞いて確認できるようになり、業務の中断を避けることができるという。新本社にはIPネットワーク経由でファクシミリのデータをやり取りできるリコー製のIP-FAX「RIFAX ML4600」も導入される。
リコーテクノシステムズは新本社へのIP電話導入の効果を検証し、2005年3月までに全国主要拠点へ導入を進める計画。全国に250カ所あるサービスステーションに導入された場合、最終的なIP電話の導入数は約6000台になるという。
(編集局 垣内郁栄)
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シスコシステムズの発表資料
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