沖電気とMS、VoIPコミュニケーションの壁を破る

2004/2/5

 沖電気工業は基幹業務アプリケーション対応のVoIPサーバ「IP CONVERGENCE Server IPstage SS9100」を発表した。マイクロソフトのMicrosoft .NET上で大規模IP-PBX機能を業務アプリケーションと融合させて利用できるようにする新製品。

沖電気工業 取締役社長 篠塚勝正氏(右)とマイクロソフト 代表執行役社長 マイケル・ローディング氏

 SS9100は、.NETをベースにしたことで、ERP、EIPなどの業務アプリケーションと、VoIPの音声、データ、画像通信を連携させたのが特徴。沖電気工業 取締役社長 篠塚勝正氏は.NETの採用で「音声でのコミュニケーションの壁を破ることになる」と強調し、ユーザーの業務プロセスが大きく改善されることをアピールした。Webサービスの利用が容易になり、認証や決済など他システムとの連携も可能になる。

 製品発表では物流業務におけるデモンストレーションを行った。SS9100上で在庫管理システムを稼働。在庫不足が発生し、商品調達担当者が商品の引き当て担当者とやりとりをしなければならないケースを想定。現場スタッフがSS9100を使い、画面上に表れる対応可能な相手リストから在籍者をクリックで選定。ビデオチャットで会話し、在庫不足を解消する内容だった。

 デモを行った沖電気工業 執行役員 IPソリューションカンパニー プレジデント 浅井裕氏は、「従来、通話相手が不在の時はかけ直しが必要だったが、このシステムを使うことでかけ直しが不要となる。業務のロス時間を解消し、作業の効率化ができる」と述べた。さらに、「テレビ電話で相手の顔、資料、アプリケーション画面を共有しながら新しいヒューマンコミュニケーションが取れるようになる」と、SS9100の付加価値を強調した。

 発表会見に同席したマイクロソフト 代表執行役社長 マイケル・ローディング(Michael Rawding)氏は、「3年前に結んだアライアンスが今日の発表につながったことは、マイクロソフトのコンピューティングシステムとネットワークのテクノロジが融合した証だ」と述べ、沖電気がマイクロソフトのプラットフォームを選択したことを歓迎した。

 SS91000はアナログ、デジタル、IPなどの接続が可能。アナログ電話、多機能電話、PHS、IP電話、ソフトフォンに接続でき、代表、転送などのIP-PBX機能を搭載する。

 SS91000は2004年3月に出荷を開始。高品質IP電話機「e音IPフォン」を1000個を含めた標準価格が4500万円から。沖電気の販売目標は3年間で3000セット。国内のSIPサーバシェアの40%を狙い、グローバルな展開も計画している。

(編集局 富嶋典子)

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