ノベルがセキュリティ強化製品を4つ同時に発表

2004/3/19

 著名な企業による情報漏えいが発覚し、企業のセキュリティへの関心が高まっている中、ノベルがセキュリティを強化するための企業向けに製品を4つ同時に発表した。同社代表取締役社長 吉田仁志氏は「企業のセキュリティは、製品を入れて終わりという時代ではない。ポリシーなどのコンサルティングも必要で、世界でそれができるのはノベルだけ」と、ケンブリッジパートナーズとの合併でコンサルティング機能を備えた同社の強みをアピールした。

 新製品は、メタディレクトリ製品の「Nsure Identity Manager 2.0」、ディレクトリサーバの「Novell eDirectory 8.7.3」、シングルサインオンを実現する「SecureLogin 3.5.1」、ログ管理の「Nsure Audit 1.0.1」の4つ。

 Nsure Identity Managerは、企業内でアプリケーションごとに個別に設定されているIDを統合管理するメタディレクトリ製品。IDをアプリケーションにかかわらず1カ所で統合管理することで、セキュリティ管理コストを削減すると同時に、IDの削除し忘れや無効IDの放置などを防げる。また、パスワードの長さなどのパスワードポリシーも強制的に全社に適応できるといったセキュリティ強化の実装も簡単にできるようになる。

個人情報漏えいが発覚した通信販売会社は、自分も利用者だったというノベル マーケティング本部 本部長 伊藤由規氏

 Nsure Identity Managerは、以前dirXMLと呼ばれていた製品。バージョンアップした際に名称を変更した。以前のバージョンではメタディレクトリを構成するために設定ファイルとしてXMLファイルを記述する必要があったが、新バージョンではWebブラウザから簡単な操作だけで構成可能になった。同社マーケティング本部 本部長 伊藤由規氏は「ノベルの製品は、高いセキュリティを低コストで実現できるのが特徴」とし、吉田社長は「メジャーなアプリケーションにはほぼ対応しており、容易に導入できる」とした。

 eDirectoryは、WindowsやHP-UX、Linux上で動作するディレクトリサービス。新バージョンでは、マルチデバイス認証、多要素認証、多段階認証などの機能が追加された。

 SecureLogin 3.5.1は、Windows上で複数のログインを1度にすませることができるシングルサインオン製品。対応アプリケーションをJavaアプリケーションやJavaアプレットにまで拡張し、Active Directoryにも対応した。特定のアプリケーションのみ、毎回ログインを要求することで、セキュリティ要求の高いアプリケーションを安全に運用する機能も追加された。

 Nsure Auditは、セキュリティ関係のサービスのログを署名付で保存できる。これによって、改ざんや否認のできない確実な記録をとり、問題が発生したときの状況を正確に把握することが可能だ。

(編集局 新野淳一)

[関連リンク]
ノベルの発表資料

[関連記事]
Eclipseコンソーシアムに今度はノベルが参加 (@ITNews)
ノベルのLinuxデスクトップ環境、SUSE LINUXに対応 (@ITNews)
IIJ-Tech、ノベルとEAIサービスに船出 (@ITNews)
「Webサービスはコスト問題を解決する」とノベル (@ITNews)
世界連携でゼロデイ・アタックを防ぐJPCERT/CC (@ITNews)
ヤフーBB全会員に500円、情報流出事件で孫氏が謝罪 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)