マイクロソフト版「コンピュータの近未来」を古川氏が語る
2004/3/31
米マイクロソフト バイスプレジデント兼マイクロソフト 執行役最高技術責任者 古川享氏(左)とヴィジュアリストの手塚眞氏(右) |
マイクロソフトは3月30日、都内でソフトウェア・プログラミングやビデオ・ゲーム制作に興味や関心を持つ中・高・大学生を対象としたイベント「The Student Day」を開催した。基調講演は米マイクロソフト バイスプレジデント兼マイクロソフト 執行役最高技術責任者 古川享氏による「コンピュータの近未来」。PCからクライアント/サーバ、Webへと移り変わってきたコンピューティング環境の次世代の姿について、マイクロソフトの研究開発機関「Microsoft Research」の最新の研究成果を例に引きながら、学生に紹介した。
古川氏は「人と機械の関係をもう一度見直す時期に来ているのではないか」と学生たちに問いかける。「重要なことは、コンピュータそのものの進化ではない。コンピュータを使って、人に何ができるか、ということではないか」。マイクロソフトが掲げる、Webに変わる次世代のコンピューティング環境は「シームレス・コンピューティング(Seamless Computing)」という言葉に象徴される。この言葉は「人と人とのつながり、人と機械とのつながり、機械と機械とのつながりをあらたて考え直すこと」「デジタル情報の活用を再度問い直すこと」「音声認識をはじめとした、まったく新しいインターフェイスを通して体験する社会」といった考え方に基づく。
では、これらの考え方を具体的な製品として落とし込んだ場合、どのような姿となるのか。例えば、それは、メッセンジャーの技術を応用したリアルタイム・コミュニケーションを可能にする会議システムであったり、手書き文字によるコミュニケーションを可能にするペン型デバイスであったり、生体認証システムであったりする。Microsoft Researchの研究成果を分かりやすくまとめたストーリー仕立てのビデオ映像は、学生が近未来のコンピューティング環境に興味を持つのに十分な利便性と革新性を備えていた。
古川氏が紹介するさまざまな「未来の技術」の中で特に興味深かったのが、Microsoft Research Asiaで開発が進められている「U Pen(ユーペン)」と呼ばれるデバイスだ。特殊な「デジタル・インク」を活用し、印刷した普通の紙にそのまま書き込むことが可能で、書き込んだメモなどはPCデータと同期させることができる。文字だけでなく、枠線や点など、ユーペンで書かれたデータはオブジェクト化され、PC上で自由に加工することができる。「入力デバイスのニーズで多いのは、紙に直接書けることだった」と古川氏はいう。
古川氏の基調講演には途中で、ヴィジュアリストの手塚眞氏が登場、古川氏とともに学生にエールを送った。
(編集局 谷古宇浩司)
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