SSAグローバル、ERPをガラガラポンして3製品に

2004/4/14

 SSAグローバルは4月13日、2003年に買収したバーンと自社の各製品を統合したうえで、プラットフォーム別に3つのERP製品を2005年にも整備する考えを示した。SSAグローバル 代表取締役社長 リチャード・ライアン(Richard Ryan)氏は「3社の統合で複数のソリューションを持てた。その共通項は製造業に対して貢献する製品であること」と述べたうえで「今後も製造業向けソリューションに積極的に投資していく」と強調した。

SSAグローバル 代表取締役社長 リチャード・ライアン氏

 SSAグローバルのERPパッケージは現在、SSAグローバルが以前から扱っている「SSA BPCS」と、旧バーン製品の「SSA Baan ERP」の2製品がある。SSA BPCSは製造業の組み立て系からプロセス系までの見込み生産、連続生産に関する機能が豊富。SSA Baan ERPは組み立て系、受注生産で特に部品点数が多く、複雑な生産形態に対応する機能が豊富となっていて、対応分野別に住み分けされている。しかし、今後は2製品の機能を同等にして、対応プラットフォーム別に住み分けを図っていく。

 SSA BPCSをベースにしたERPパッケージはほかの製品の機能を統合し、2005年にもIBM iSeriesプラットフォーム向けのERPパッケージとして出荷する。SSAグローバルでは仮称として「SSA iSeries ERP V1.0」と名付けている。SSA Baan ERPもほかの製品の機能を加えてUNIXプラットフォーム向けに「SSA UNIX ERP V1.0」(仮称)の製品名で2005年に出荷する計画。また、ERPパッケージから会計系モジュールを独立させた新製品「SSA Financials V1.0」(仮称)を早ければ2004年後半にも出荷する。各国で異なる会計基準などに柔軟に対応できるようにするのが目的。

 SSAグローバルは今後3つのERPパッケージを中心に展開するが、最終的には3製品を1つの製品に統合することを検討している。統合を検討するのは2006年以降で、製造業向けのオールラウンドプレイヤーとしてSSAグローバルのブランドを確立することを目指すとみられる。

 ライアン氏はまた、2003年に買収した旧イーエックスイーテクノロジーズの倉庫管理、ロジスティックス管理の製品を戦略製品と位置付け、「SSA Warehouse Management」の名称で積極的に拡販する考えを示した。ライアン氏は「ロジスティックス市場は成長が続いている。だが、多くのプレイヤーはクリアな戦略を持っていない」としてSSA Warehouse Managementに注力する理由を説明した。SSAグローバルが新たな企業買収を検討する場合も「ロジスティックス分野の製品を補完するソリューションを持つ企業が対象になるだろう」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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