日本型生産管理を世界に、SSA

2003/5/29

 SSAグローバル テクノロジーズ ジャパン(SSA GT)は、製造業向けERPパッケージ「BPCS(ビーピクス)」の最新バージョンV8.2 日本語版を6月より出荷すると発表した。

 SSA GTは自動車部品、電機電子、食品飲料、製薬、一般消費財、一般製造業に特化したERPベンダで、BPCSは同社の主力製品である。新バージョンの特徴は、日本の生産管理や商習慣に対応する機能が強化されたこと。これまで日本特有の機能は「JMS(ジャパンマニュファクチャリングソリューション)」と呼ばれる拡張モジュールの形で提供されてきたが、この機能の半分以上がBPCSコアに取り込まれた。JMSからBPCSコアに移された機能としては、「製番(製造管理番号)管理」「外注管理」などがある。これによりグローバル展開する企業などで、日本型の生産管理機能が21カ国語で使用できる。

 新バージョンには全体で103のエンハンスメントがあり、新機能としては“牛肉1切れ/100グラム”のように異なる単位が混在した在庫管理を実現する「ダイナミック在庫管理単位機能」、ユーザー/業務プログラム/更新ファイル/項目ごとに承認の要否を設定できる「電子署名機能」「預託在庫(VMI)消費時の自動自己請求処理機能」「顧客検収情報から売上・請求データ生成機能」など。また、「内示管理機能」や「リーン生産/購買機能」なども強化され、各業界固有の要件への対応も進めた。

 このほか、中堅企業への導入支援としてビジネスモデリング・ツール「Process Manager」の機能が強化、さらにBPCSおよびほかの業務アプリケーションを単一の画面にロールベースで切り替えて表示可能な「BPCSポータル」も用意された。

SSAグローバル テクノロジーズ ジャパンの北米CEO アレキサンダー・ヴァン アイク氏

 SSA GTの北米CEO アレキサンダー・ヴァン アイク(Alexander D.Van Eyck)氏は、「SSA GTジャパンは過去2年、成績がよく、グローバルの売り上げの10%を占めている。シカゴのエクゼクティブもジャパンを重要と考えており、今回の新製品となった」と日本市場の重要性を強調した。一方、SSA GTジャパンの副社長 ディーピー・サンローラ(DP Sangroulla)氏は、「初期のERPは非常に欧米的だった。特にアメリカ人などは『製番って何だ?』と日本の考え方を取り入れなかった。しかし、日本の“かゆいところまで手に届く”考え方と、欧米の考え方の両方に良いところがある。その両方を持っているのがBPCS」とアピール。さらに、「日本の製造業は海外に出る例が多いが、本当にもうかっているのか。会計周りでは多少SAPさんが強いと言われているが、今年の9月までに同じレベルのものを作っていきたい。製造業がなくなってしまったら、日本はどうなるのか。SSA GTは大企業から中小の製造業までのベストパートナーになっていきたい」と日本を憂えていた。

(編集局 鈴木崇)

[関連リンク]
日本SSAグローバル

[関連記事]
バーン、定価制導入パックで日系企業の中国進出を支援 (@ITNews)
流通・小売のベストパートナーに、リテック (@ITNews)
「R/3と同じインパクト」、SAPが統合プラットフォーム発表 (@ITNews)
SAPの低価格テンプレートで、ERPは中堅企業に広がるか (@ITNews)
リアルタイムアクセスと多言語対応を武器にグローバル企業を狙うERP (@ITNews)
マニュジスティックス、アジアに進出する日本企業に注力 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)