J2EE運用管理に重要な“3つのP”、Wily

2004/5/1

 アイ・ティ・フロンティアは4月22日、J2EEアプリケーション運用管理ツール「Wily5」の販売を開始した。同製品の製品発表セミナーに合わせて来日した米Wily TechnologyのCTO ルイス・サーニ(Lewis Cirne)氏は「J2EEで構築されるシステムの規模が次第に大きくなりつつあるいま、Javaのエキスパートだけでなく、Javaに不慣れな担当者でも運用管理ができる必要性が出てきた」と語る。そして、それを可能にするツールがWily5だと同氏はいう。

米Wily TechnologyのCTO ルイス・サーニ氏

 Wily5の中核となる「Introscope 5」は使いやすい管理コンソールを提供し、Javaに詳しくない人間でもドリルダウンで問題の原因を特定することが可能だという。さらに管理コンソールは監視者が誰であるかによってカスタマイズでき、J2EEシステムの安全性を赤・青・黄といった視覚的なシグナルで経営者向けに提供することもできる。また、HTML形式でレポート出力が可能であり、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)に向けたレポート資料として活用できるという。「Javaの問題の35%くらいはアプリケーションコードに起因している」と同氏は説明した。Wily5はアプリケーショの問題をクラスやメソッドのレベルで特定することを可能にしているという。

 Wily5の大きなトピックは、ポータル製品に特化した「Wily Portal Manager」が加わったことだ。米国ではJ2EEによるポートレットベースのポータル構築が盛んだ。投入の理由についてサーニ氏は「ポータルの構築では、ユーザーのカスタマイズによってアプリケーションは複雑になる。バックエンドのシステムとの連携もユーザーによってさまざまだ。アプリケーションの内部を精密にモニタリングできると同時に、Javaでない他システムとの接続によるボトルネックを測定できるツールが必要だった」と説明する。

 このようにWilyは、アプリケーション内部や他システムとの連携によるボトルネックを測定できるが、その一方で同氏は「よいツールや優秀なエンジニアだけでは運用管理は成功しない。ツール(Product)、人(Person)、プロセス(Process)の3つがそろうことが重要」であり、「特にプロセスはもっとも軽視されやすい要素」だと説明する。

 米国では実際に「多くの企業がアプリケーション管理のプロセスを持っていないため、問題解決に非常に多くの時間やコストを費やしているとの調査結果がある」という。同氏はこの問題の解決策として「アイ・ティ・フロンティアのようなパートナー企業とともに、適切な運用管理のプロセスの啓蒙を日本市場に向けて行っていきたい」と抱負を語った。

(ナレッジリンク 北野美次)

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アイ・ティ・フロンティアの発表資料

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製品紹介 Wily4 Introscope (@IT Java Solution)

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