「Sasserも防げます」、シマンテックが新製品をアピール

2004/5/12

 シマンテックはファイアウォール、侵入検知、ウイルス対策機能を統合した企業向けのセキュリティソフト「Symantec Client Security 2.0」を発表した。

米シマンテック マーケティングディレクター ケビン・マーレー氏

 米シマンテック マーケティングディレクター ケビン・マーレー(Kevin Murray)氏は、企業のセキュリティ対策の必要性が高まる中で「ノートPCの社内への持ち込みによる脅威と、管理者の作業を容易にすることが求められている」と指摘。Symantec Client Security 2.0では、この2点を強化した。

 Symantec Client Security 2.0では、ノートPCで社外からVPN接続しようとすると、PCのウイルス定義ファイルが最新になっているか、クライアントファイアウォールが有効かなどをチェック。あらかじめ設定したルールに違反しているPCの接続を拒否する。また、PCの物理的な位置(社内、社外など)を自動的に検出し、場所によりクライアントファイアウォールのポリシーを動的に切り替える。スパイウェアやアドウェアを検出し削除することも可能で、PCからの個人情報漏えいを防ぐという。

 管理者の作業を軽減する新機能も搭載した。これまで新しくSymantec Client Securityを導入した場合、管理者は設定ファイルを書き直す必要があった。だが、Symantec Client Security 2.0ではドラッグ&ドロップで古い設定ファイルを新しい環境に移行できる。あらためて設定ファイルを書き直す必要がなくなり、管理者の作業を軽減できるという。

 クライアントPCの監視では、PCごとにアプリケーションの利用や通信を監視したり、特定の相手への通信の許可/拒否/任意の設定ができる。ワームの感染源となるPCを特定し、社内での2次感染、3次感染を防げるという。管理者からPCに対して強制的にウイルスの定義ファイルを更新させることも可能。マーレー氏は、これらの新機能により猛威を振るっているワーム「Sasser」に対しても「Symantec Client Security 2.0をインストールしただけで防げる」とアピールした。

 Symantec Client Security 2.0のライセンス価格は、クライアント数が100〜249の場合で、1クライアント当たり1万1600円。従来バージョンからのアップグレードは1クライアント当たり5800円などとなっている。発売は6月4日。

(編集局 富嶋典子)

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シマンテックの発表資料

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