シマンテックが1億ドルで買収したテクノロジとは

2003/11/13

米シマンテックの副社長 兼 最高技術責任者 ロブ・クライド氏

 米シマンテックの副社長 兼 最高技術責任者 ロブ・クライド(Rob Clyde)氏は、今年10月末に買収を発表した米ON Technologyのテクノロジを利用して、シマンテック製品だけでなく、他社製品のパッチ管理もできる新製品を来年中にも出荷する考えを示した。現状、システム管理者はサーバやデータベースなど製品ごとにパッチの管理と適用が必要だが、新製品を使うことでパッチ適用の統合管理が可能になる。

 シマンテックはON Technologyの買収を2004年3月に完了する計画で、新製品は3月以降の出荷になる見通し。ON Technologyは各プラットフォーム、各デバイスが混在する環境で一元的な管理を可能にする製品を開発。パッチだけでなく、アプリケーションやOSを一括してクライアントPCやサーバに、インストールできる。シマンテックが1億ドルの現金で買収すると10月27日に発表した。

 シマンテックは中小セキュリティベンダの買収でサービスの拡充を急いでいる。10月20日にはSSL-VPNのアプライアンスを開発、販売する米SafeWebの買収を発表した。買収額は2600万ドル。シマンテックはSafeWebが開発したテクノロジを採用し、SSL-VPNのアプライアンスを2004年第1四半期に出荷する計画。また、2004年第2四半期以降に同社の「Symantec Gateway Security Appliance」シリーズの次世代バージョンをSSL-VPNに対応させる。

 クライド氏は企業システムのセキュリティ対策について、「機能が細分化されすぎて複雑になっている」と指摘し、「セキュリティアプリケーションの運用管理を統合する必要がある」と訴えた。シマンテックは同社のアプリケーションアーキテクチャ「Symantec Security Management System」に対応する他社製ファイアウォール用のコネクタを拡充する考えで、他社製品も含めたセキュリティ製品の統合管理を拡大する。

(編集局 垣内郁栄)

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