「情報システムを整理するアクセスという切り口」、シトリックス
2004/5/14
シトリックス・システムズ・ジャパンは企業情報システムのさまざまなアプリケーションに対して、デバイス、場所、時間を問わずにセキュアにアクセスするための統合ソフト「Citrix MetaFrame Access Suite」を5月13日に発表した。同社代表取締役社長 田中正利氏は企業情報システムが複雑化していることを指摘したうえで「アクセスという切り口でいまの情報システムを整理することが重要だ」と述べ、Citrix MetaFrame Access Suiteの有効性を強調した。
シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 田中正利氏 |
シトリックスは従来、アプリケーションをサーバに統合し、各クライアントに対してアプリケーションのイメージを配信するサーバ・ベース・コンピューティングを進めてきた。Citrix MetaFrame Access Suiteではそのサーバ・ベース・コンピューティングのテクノロジを基盤に情報システムに対するセキュアで自由なアクセスを可能にする「アクセス・インフラストラクチャー」の実現を目指す。
アクセス・インフラストラクチャーは、プラットフォームやプロトコルが異なるアプリケーションをサーバ上に統合し、画面イメージだけをクライアントに提供する「表示」と、ユーザーに合わせて提供するアプリケーションやファイルへのアクセスを制御する「編成」、クライアントに提供する画面イメージのSSL暗号化、シングルサインオンを可能にする「保護」、どのデバイスからでもアクセスできるようにする「配信」と「管理」の5つの要素で構成される。
Citrix MetaFrame Access Suiteに含まれる4つのソフトのうち、基盤となるのは「Citrix MetaFrame Presentation Server 3.0」。アプリケーションをサーバ上に統合し、サービスとしてユーザーに配信する機能を持つ。新バージョンではセキュリティ機能が強化。ポリシーベースでアプリケーションごとのセキュリティ設定が可能で、ローカルハードディスクドライブへのデータ保存の禁止や、クリップボード、印刷の利用不可、暗号化レベルの設定などを可能にした。シトリックスでは企業で相次ぐ個人情報の漏えいに対しても有効なセキュリティ機能とアピールしている。
セキュリティ機能は、アクセス・インフラストラクチャーへのさまざまなデバイスのリモート接続を可能にする「Citrix MetaFrame Secure Access Manager 2.1」でも強化された。従来、シトリックス製品によるSSL-VPNの暗号化は、シトリックス独自のICAプロトコルだけに有効で、安全性が保たれるのはサーバから配信されるアプリケーションのイメージだけだった。しかし、Citrix MetaFrame Secure Access Manager 2.1ではSSL-VPNの暗号化の範囲をHTTP/HTTPSに拡大。アプリケーションだけでなく、共有ファイル、Webサイトなどのコンテンツサービスの通信も暗号化するようにした。Citrix MetaFrame Secure Access Manager 2.1はさまざまなデバイスから同一のアプリケーションを利用できる「シングルポイントアクセス」の機能も提供する。
Citrix MetaFrame Access Suiteにはほかに各アプリケーションをまたがってシングルサインオンを可能にする「Citrix MetaFrame Password Manager 2.5」、デバイスやネットワークの環境が異なるユーザー間でアプリケーションやファイルをリアルタイムで共有可能にする「Citrix MetaFrame Conferencing Manager 3.0」がある。
シトリックスではCitrix MetaFrame Access Suiteをひとまずは既存の大手企業顧客を中心に拡販する。その後は順次パートナーを増やして中小規模企業を含む製造、金融、公益、官公庁などもターゲットにする。Citrix MetaFrame Access Suiteの出荷で既存の30万ライセンスを30%増やすことを狙う。
Citrix MetaFrame Presentation Server 3.0とCitrix MetaFrame Conferencing Manager 3.0は5月13日販売開始。5同時ユーザーの最小構成価格はPresentation Server 3.0が24万7000円、Conferencing Manager 3.0は8万4150円。Citrix MetaFrame Secure Access Manager 2.1とCitrix MetaFrame Password Manager 2.5は6月28日販売開始予定。20同時ユーザーの最小構成価格はSecure Access Manager 2.1が49万3000円、Password Manager 2.5は30万2600円となっている。
(編集局 垣内郁栄)
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