中堅企業に「帳票おひとついかが?」、SSJ

2004/5/14

SSJ 代表取締役社長 佐藤祐次氏

 エス・エス・ジェイ(SSJ)は5月13日、中堅企業層シェア拡大に向けた新パートナー戦略「SuperStream 帳票モール」を発表した。同社の会計パッケージ「SuperStream」導入にあたり、販売パートナーが開発した帳票類をWeb上で流通させることで、短期・低コストのシステム導入を実現するのが狙い。パートナーがモールに登録したい帳票をSSJに審査に出し、汎用性などの観点から同社の承認を得たものだけが流通する仕組みで、ユーザー企業はWeb上で帳票を自由に検索・閲覧して好きなものを選ぶことができる。

 帳票の導入にあたっては、ユーザー企業から開発を請け負っているSIが帳票の開発元に見積もり依頼・発注することで、ユーザー企業に納品される。特徴は「すでに一般企業で導入実績のある帳票類」を提供すること。これにより、ユーザー企業は高品質で使い勝手の良い帳票を短期で導入できるようになる。サイト開設は7月上旬を予定しており、「スタート時の帳票登録数は約300、本年度内には登録数500を目指す」(SSJ 代表取締役社長 佐藤祐次氏)という。帳票の中心価格帯は30〜50万円を想定している。

 パッケージ導入にあたっては、会社ごとの固有業務や商習慣に対応した帳票のアドオン開発が必須になる。そのため本来は案件ごとの個別開発が一般的だが、「国内導入3600社超の豊富な実績を背景にすれば、類似帳票の重複開発が削減される。その分エンドユーザーは短期・低コストで迅速な投資効果を生み出すことができ、また販売パートナーにとっても開発ノウハウを共有でき、顧客の購買ニーズを掘り起こすチャンスにつながる」(佐藤氏)という。

 さらに帳票の開発元にとっても、SuperStream導入に関する実績や技術力をアピールする格好の場となる。SSJはこの帳票モールを通じて他社製品との差別化を図り、製品機能の強化につなげていく方針だ。将来的には、「そのほかの追加開発プログラムやSuperStream連携製品も流通させていきたい」(マーケティング本部長 加賀屋純一氏)と語る。

 通常、販売パートナー同士は“ライバル”なので、こうしたノウハウ共有は難しい。一方でSuperStreamの導入については、2000年問題や国際会計基準導入にわいた1998〜1999年ごろの販売実績に近づいており、今後も中堅製造業などを中心に増加傾向が続くと見られる。そこでSSJとパートナーが一丸となって中堅企業層への支援策を強化し、国内経済活性化を目指すことで意見が一致したという。また同社の既存ユーザー企業からも協力を得ることで、すでに稼働している帳票類のWeb流通が可能になった。

 ちなみにSSJでは今年4月に、SuperStream技術者認定資格「SuperStream Specialist」などの制度を創設している。これもエンドユーザーへの支援策の一環で、「開発協力を依頼する際、どの会社が当社製品に精通しているか、どの程度の技術力があるかを見きわめる目安となる」(佐藤氏)とのことだ。この認定制度と帳票モールを合わせることで、SIベンダの技術力・ソリューション力をユーザー自身が判断し、協力SIを選べることになる。今後はユーザー企業側も、協力SIを見定める“目利き”力が求められてくるだろう。

(編集局 岩崎史絵)

[関連リンク]
エス・エス・ジェイ

[関連記事]
やっぱり高い"紙"への依存度、IBM+アドビが新提案 (@ITNews)
帳票は日本に学べ、Cognos ReportNetは和魂洋才 (@ITNews)
SSJ、「中堅企業も戦略的な人材活用を」 (@ITNews)
Linuxで業務アプリケーションを実現する提携 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)