噂のBPELネイティブ対応SOA製品がついに登場、IBM

2004/5/19

 日本IBMは18日、同社では初となるSOA(サービス指向アーキテクチャ)対応の製品、「WebSphere Business Integration Server Foundation」(以下、WBI SF)と「WebSphere Studio Application Developer - Integration Edition v5.1」(以下、WSAD-IE)、およびSOA導入に伴うコンサルティングサービスを発表した。

SOA事業戦略を発表する日本IBM 執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏

 「SOAへの取り組みはIT業界全体の動きとなっている。1990年代はビッグバンアプローチと呼ばれる単一パッケージ製品による業務最適化が進んだが、現在のビジネス環境はダイナミックに業務プロセスを変更する要求が非常に強くなった。これを実現できるITシステムは、既存のIT資産を有効活用しつつ、短期間で業務フローを組み替えられるサービス指向のアプローチが必須となるだろう」と同社執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏は語った。

 SOAはWebサービスなどの標準技術で構成され、異種環境のアプリケーションに共通のインターフェイスを与えることで、アプリケーション統合を促進させるアプローチである。

 同社が描くSOA実現のシナリオは、「モデリング」「実装」「実行」「モニタリング」「分析」の5つのフェイズから構成される。起点となる「モデリング」では、ビジネスコンサルティングによって企業のビジネスモデルをコンポーネントに再定義し、その実行順序などを定義する作業だ。既存のアプリケーションは、この段階で「サービス」というコンポーネントに抽象化される。

 「実装」ではSOA開発環境であるWSAD-IEを使い、定義されたビジネスコンポーネントをJ2EEサーバーで稼働するアプリケーションに落とし込む。WSAD-IEは、標準技術であるBPEL(Business Process Execution Language)にネイティブ対応しており、複数の「サービス」の実行順序やエラー制御などをGUI画面で定義できる。

 WBI SFはSOAベースのアプリケーションを「実行」させるBPEL対応のワークフローエンジンで、J2EE上で稼働するミドルウェアだ。WebサービスやJavaなどのインターフェイスに対応しており、アプリケーションの実装言語やプラットフォームに依存することなく、さまざまなサービスを呼び出せる。

 シナリオ後半の「モニタリング」「分析」を受け持つ「WBI Monitor」、および「モデリング」用の「WBI Modeler」の2製品は今回の発表に漏れたが、順次発表するという。「SOAに必要な全工程をカバーする製品群をWebSphereファミリーに組み込むことで、競合製品との差別化が可能になる」と、同社ソフトウェア テクノロジー・エバンジェリスト 米持幸寿氏は語った。

 事業戦略を概説した同社ディスティングイッシュド・エンジニア ITアーキテクト 長島哲也氏は「SOA導入に当たっては、SOAに即した上流工程でのビジネスモデリングが重要だ」とし、コンポーネント・ビジネス・モデリング、戦略立案、アセスメント、レガシー資産活用の4分野に対するSOAコンサルティング・サービスの提供も約束した。

(編集局 上島康夫)

 

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日本IBMの発表資料

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