キャリア・イーサネットでイニシアティブを、リバーストーン
2004/6/4
ネットワーク機器メーカーのリバーストーン・ネットワークスは6月3日、キャリア向けエッジ・ルータの新製品「Riverstone 15008」を発表した。
エッジ・ルータとは、キャリアのバックボーンの中でも最もユーザー側のアクセス回線に近い場所に設置されるルータのことで、エンド・ユーザー向けのサービスの内容を決定する役割を担っている。パケットの転送速度や収容帯域で性能が評価されるコア・ルータに対し、エッジ・ルータではEnd-to-Endでの信頼性やパケット優先制御などのサービス・レベルのほか、イーサネットやATMなどの複数インフラの混在環境をMPLSで単一インフラとしてまとめるなど、その機能が重要な意味を持っている。世界中のキャリアで次世代ネットワーク構築に向けた動きが進む中、同社ではその機能性をアピールすることで業界でのイニシアティブを握りたい考えだ。
今回発表されたRiverstone 15008では、スロット当たり48Gbps(全二重)のパフォーマンスの処理が可能で、筐体あたり8個のラインカード・スロットを搭載できるようになっている。同筐体は、ラック内に最大3つまで収容可能だ。提供されるラインカードとして、ギガビット・イーサネット・ポートを12個搭載したもののほか、10ギガビット・イーサネット・ポートを1個搭載したモジュールが提供される。
製品の特徴としては、プログラマブルASIC搭載による処理性能向上のほか、スロットとバックプレーンが独立したアーキテクチャとなっており、拡張性や冗長性の面で強化が図られている点が挙げられる。また動作するOS自身がモジュラー型アーキテクチャを採用しており、特定のプロセスが原因でハードウェア全体が影響を受けるような現象が避けられる。MPLSへの対応に加え、ATMやフレーム・リレー、イーサネットなどを包含して単一のネットワークインフラとして統合し、ユーザーに対してVPLS(Virtual Private LAN Service)によるレイヤ2ベースでのLAN接続サービスを提供することも可能である。
米リバーストーン プロダクトマネジメント&コーポレートマーケティング担当副社長のデイヴィッド・ギンズバーグ氏 |
すでにドイツの通信サービス・キャリアであるT-Systemsが、国内の研究機関DFN(Deutsches Forschungsnetz)のネットワークで同製品の試験利用を行っているほか、世界のサービス・プロバイダで導入実験が行われているという。
Riverstone 15008の競合製品と比較した際の強みについて米リバーストーン プロダクトマネジメント&コーポレートマーケティング担当副社長のデイヴィッド・ギンズバーグ(David Ginsburg)氏は、「イーサネットをキャリア向けのインフラとして利用する動きは加速しており、近い将来にその範囲はメトロ(都市圏)からさらに広域なところまでをカバーすることになるだろう。
日本のNTTが次世代インフラ構築に関して出している提案書の中でも、イーサネット化への動きに関する記述が随所に見られる。これまで、早くからキャリア向けイーサネット製品に目を向け、VPLSによるネットワーク統合やマルチ・サービス・ソリューション(データ/音声などを統合したサービス)を展開してきたリバーストーンはこの分野で一日の長があり、その強みを生かすことができる」と自信をうかがわせる。
「キャリアがもし将来を考えた投資を行うなら、イーサネット時代にマッチしたリバーストーン製品が大きな効果を生み出すだろう。今回の製品発表は、キャリアがサービスを見直すきっかけになると考えている」(ギンズバーグ氏)
(鈴木淳也 Junya Suzuki)
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リバーストーン・ネットワークス
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