顧客の価値観を分析する「REM」、ベリングポイント

2004/6/9

ベリングポイント CRM戦略グループ ディレクター 中本雅也氏

 ベリングポイントは独自の手法で企業が持つ顧客データを分析し、業務改善や新商品の開発を支援する新しいコンサルティングのサービス「REM」(Relationship Equity Management:顧客関係価値マネジメント)を6月8日に開始したと発表した。顧客の調査からデータウェアハウスの構築、統合まで一気通貫で行うのが特徴。ベリングポイントのCRM戦略グループ ディレクター 中本雅也氏はREMを導入することで「これまで実現できなかった顧客視点の販売戦略、マーケティングが実現できる」と述べた。

 REMは5段階で業務をコンサルティングする。第1段階では企業が保有している顧客データや、消費者へのアンケート調査を分析。性別や年代別、地域別など従来のマーケティング手法ではなく個人の価値観やライフスタイルなどより個人的な嗜好を分析する。この分析を基にして第2段階で、顧客をセグメント分けする。第3段階ではセグメント別に商品開発やマーケティングをシミュレーション。顧客獲得や将来の目標シェアを達成するためのコストを計測する。第4段階ではシミュレーションから導き出された業務の改善点や新施策を製品開発やセールス、価格政策などで実行する。200万件程度の顧客データを持つ企業の場合、第1段階から第4段階までで約10カ月かかるという。

 第5段階では分析やシミュレーションで得られた情報と企業内に散在する顧客データを統合し、データウェアハウスを構築。ビジネス・インテリジェンス(BI)ツールを導入し、業務の現場で顧客の動向を分析できるようにする。顧客データの統合、データウェアハウスの構築には最低で約4カ月かかるとベリングポイントではみている。プロジェクトにかかるコンサルティングの料金は、200万件の顧客データを持つ企業の場合で8000万円から。

 中本氏はREMの適用について「対象企業は選ばない」と説明。しかし、耐久消費財を扱う家電メーカーなど、企業と消費者の間に卸や量販店が介在する「BtoBtoC」型の企業に特に適していると説明した。ベリングポイントでは提供開始後1年で10社程度の獲得を目指しているが、すでに家電メーカー、精密機器メーカー、OAの販売会社など5社程度から引き合いがあるという。

(編集局 垣内郁栄)

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