「半永久的なアクセスを保証」富士通のアーカイブストレージ
2004/6/9
富士通は6月8日、ストレージシステム「ETERNUS3000 アーカイブストレージ」を発表した。同システムは、ディスクアレイ「ETERNUS3000」とテープライブラリ「ETERNUSS LT130/LT160」、ネットワークストレージサーバ「ETERNUS SP5000」という既存のストレージ装置3種類と新規開発のネットワークストレージ用ソフトウェア「コンテンツ・アーカイブ・マネージャー」との組み合わせで構成されている。
「ETERNUS3000 アーカイブストレージの外観 | 富士通 ストレージシステム事業本部 ストレージシステム事業部 事業部長 松島等氏 |
工場出荷時に顧客の要件に合わせて初期設定を行うことにより、「導入から運用までの時間を大幅に短縮できる。国内でこのようなストレージアーカイブの専用システムを構築したのは富士通が初」(ストレージシステム事業本部 ストレージシステム事業部 事業部長 松島等氏)だという。
今回新たに同社が開発した「コンテンツ・アーカイブ・マネージャー」は、ディスクアレイとテープライブラリを組み合わせ、大量に発生する情報を効率的に格納/管理するためのコンテンツ保存機能を提供する、アーカイブ専用ストレージソフトウェアである。
データ保存については、追記型 (WORM:Write Once Read Many)構造を採用、いったん保存した情報はデータの改ざんや誤消去から完全に守られる。格納された情報を次世代のストレージ装置やメディア規格に自律的(自動的)に移行できる「新陳代謝機能」も搭載している。「これにより、半永久的なアクセスを保証する」と松島氏はいう。
さらに、保存情報の再利用を促すため、保存データに識別のためのXML形式の管理情報を付与、(二次階層ストレージである)テープ媒体に保存した情報をほかのシステムで読み出したりできるようにした。
このような機能を活用する例として、例えば、災害対策を挙げることができる。テープ媒体を外部サイトに保管しておき、もし、システムが復旧できなくても当該テープ媒体だけで情報の復元を行うというケースだ。
2004年初頭から、ストレージベンダ各社は、ストレージ管理のコンセプトとして「情報ライフサイクル管理」(Information Lifecycle Management:ILM)を打ち出している。今回富士通が発表したシステムもILMを具現化するものである。従来は用途によって切り分けられていたストレージ製品を専用ソフトウェアで統合し、情報のライフライクル全体を管理する包括的なシステムとして生まれ変わらせたといえる。
(編集局 谷古宇浩司)
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