富士通「TRIOLE」が巡る“世界の車窓から”
2004/6/8
富士通のTRIOLE(トリオーレ)推進室長 三津濱元一氏は、富士通が提唱しているユーティリティ・コンピューティングのためのIT基盤「TRIOLE」を、欧州や米国など国外でも本格的に展開する方針を6月4日に説明した。情報システムの複雑性をなくして、ビジネスの急激な変化に柔軟に対応しようとするTRIOLEなどユーティリティ・コンピューティングの考えは、欧米のシステム・ベンダの取り組みが知られているが、三津濱氏は「TRIOLEのグローバル展開はサーバを含めて総合的に提案できるというメッセージだ」と述べ、欧米ベンダとの対決を強調した。
富士通のTRIOLE推進室長 三津濱元一氏 |
富士通は、TRIOLEの中核製品で、システムの自律制御やサービス統合を可能にするソフト製品「Interstage」「Systemwalker」を富士通の米国子会社や欧州の富士通シーメンスを中心に拡販する。三津濱氏は「サーバ製品の販売チャネルを使ってソフト、サービスを含めてビジネスの幅を広げたい」としていて、サーバの既存顧客を中心にTRIOLEの関連製品を展開する考えを示した。
富士通がTRIOLEの主要製品と位置付けて、欧米でも積極的に推し進めようとしているのがネットワークサーバ「IPCOM Sシリーズ」だ。ファイアウォールやスイッチ、ルータ、帯域制御、ロードバランサなどIPネットワークを中心にシステムを構築する際に必要となる主要機能を1つのサーバに統合した製品で、「ネットワークの水回りを簡単に構築できるようになる」と富士通ではアピールしている。IPCOM Sシリーズは2004年4月に販売を開始し、納入数はすでに200を超えているという。
富士通のIPネットワーク事業本部長代理 菊池伸行氏は「ユーティリティ・コンピューティングを実現するうえでの課題の1つは、システムの構成が複雑になりすぎること」と指摘したうえで、IPCOM Sシリーズについて「システムの安定稼働、短期間で柔軟なシステムを構築できる」と説明。メインフレームや専用線など高い安定性を持つシステムを長く扱ってきた「富士通のDNAが必然的にIPCOM Sシリーズを生み出した」と述べた。
(編集局 垣内郁栄)
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富士通の発表資料
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