従業員20人からどうぞ、シスコが中小企業戦略を一新

2004/6/17

 シスコシステムズは、企業規模別のパッケージ製品の提供を柱とする中小・中堅企業向けの新戦略「Cisco SMB Class Solutions」を6月16日に発表した。中堅企業に強みを持つパートナー企業との協業を強化し、7月にも提供を開始する。

シスコシステムズの代表取締役社長 黒澤保樹氏

 Cisco SMB Class Solutionsの対象は従業員20〜300人規模の中小企業。ルータやスイッチ、ソフトなどのシスコ製品を組み合わせてIP電話や無線LAN、セキュリティ機能などが簡単に利用できるパッケージ製品を開発する。専任担当者がいない中小企業でも導入、運用できるように製品同士の相互接続性をあらかじめチェックし、必要な設定も行っておく。

 シスコは、中小企業の従業員規模に合わせて複数のパッケージを用意する計画。通常価格と比較して割安な「特別価格で提供」する。シスコの代表取締役社長 黒澤保樹氏は「従業員が20人、50人、100人の企業に協力してもらい、最適のシステム構成を検証している」と説明した。

 シスコのパートナー企業もシスコ製品を組み合わせた中小企業向けのパッケージ製品を開発する。ダイワボウ情報システムは小規模向けIT電話パッケージや、無線LANパッケージ、ファイアウォールやVPNの製品を組み合わせたセキュリティパッケージを用意する。シスコと連携し、中小企業に販売する。

 Cisco SMB Class Solutionsでは、パッケージ製品の提供のほかに中小企業のIT投資を支援するファイナンスのサービスも提供する。リース契約でシスコ製品が利用できるようにするなど、中小・中堅企業がシステムを導入しやすいようにする。中小企業向けのトレーニングやサポートも用意。従業員が300〜1000人規模の中堅企業に対しても今後、戦略を強化するという。

 シスコはグローバルな取り組みとして今後2年間でCisco SMB Class Solutionsに20億ドルを投資することを4月に発表している。日本でも研究開発やマーケティング、セールスなどにこれまで以上の投資をして、手薄だった中小・中堅企業の市場を開拓する。

(編集局 垣内郁栄)

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