富士通、今度はマイクロソフトと握手

2004/6/29

(左から)米マイクロソフト最高経営責任者 スティーブ・バルマー氏、富士通 代表取締役会長 秋草直之氏

 富士通と米マイクロソフトは6月28日、ミッション・クリティカル領域でのシステム開発で提携すると発表した。これにより両社は、次世代基幹IAサーバの開発と次期Windows Server(開発コード名“Longhorn”)の開発で協業することになる。この提携で両社は2007年に8000億円規模のビジネス創出を目指す。

 富士通とマイクロソフトは2002年にグローバルアライアンスを締結しており、欧米/アジア・パシフィック地域で共同のシステム・インテグレーション事業を展開してきた。その成果としては、2002年で約2400億円、2003年で約3500億円の売り上げ実績を残している。今回の提携内容は2002年度の提携からさらに一歩踏み込み、ミッション・クリティカル分野への注力とプラットフォーム開発に関する協業が追加された格好となる。

 富士通側にはこれまで培(つちか)ったきたメインフレーム技術の開発力とミッション・クリティカルシステムの豊富な構築実績がある。一方、マイクロソフトは、Windowsプラットフォームを基盤とした強力な研究/開発能力とマーケティング力が強みだ。両社の強みを協業という形で融合することで、ミッション・クリティカルなニーズに耐えうるWindowsプラットフォームのIAサーバの市場を開発していこうという試みである。

 メインフレーム市場が大手総合ITベンダのターゲットとなっている。“レガシー”と成り果てた旧型のシステムを最新のオープン・スタンダード技術で置き換えようという需要が高まっているのだ。この市場に対するアプローチは各社さまざまで、例えば米IBMは最近メインフレームの売り上げが向上しており、6月24日に記者会見を開催した日本HPは、(世界規模で)Linuxによるメインフレーム市場への参入に意欲をみせている。メインフレーム大国“ニッポン”が外資系総合ITベンダの格好の標的となっているのは確かなことだが、では、かつてメインフレームで日本全国各地に強力な地盤を築いてきた日本電気(NEC)、富士通、日立製作所といった総合ITベンダはどのようなアプローチをとっているのか。今回の提携劇をみるまでもなく、オープン・スタンダード技術の研究・開発に注力してきた米国企業と手を組むことが最優先課題であるようだ。

 もっとも、本場の米国ではマイクロソフトとサン・マイクロシステムズが技術提携するなど、オープン・スタンダード技術のイニシアティブを争う合従・連衡が盛んである。.NETとJ2EEというプラットフォームの対立はすでに時代遅れの議論であり、今後さらにオープン技術の融合が進むものとみられる。それと並行して、それぞれの技術を担いできたベンダ同士が手を組み、企業間のパワーゲームは新たな局面を迎えることになるだろう。日本の総合ITベンダは、このような米国の状況に追随しながら、どこと手を組み、どんな技術を自らのものにするかを模索している状態であるといえる。技術の標準化は、各社の差別化を一層求めることになる。M&Aが加速し、最終的に残る企業は数社だけ、ということにもなりかねない。

(編集局 谷古宇浩司)

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