メインフレームを駆逐せよ! HPのオープン戦略
2004/6/24
(左から)日本ヒューレット・パッカード 専務執行役員 営業担当 吉田雅彦氏、インテック 取締役副社長 後呂光義氏 |
日本ヒューレット・パッカードとインテックは6月23日、Linuxを核としたオープン環境での大規模基幹システムの構築と運用サービスの拡販を目的に7月1日から協業を開始すると発表した。発表に先立ち、両社ではすでに10人程度のタスクフォースを設置し、営業案件のタイアップ作業を開始している。今回の協業により、両社は今後3年間で100億円規模の売り上げを目指す。メインフレーム構築から始まり、40年以上のシステム開発経験を持つインテックとオープン環境に技術的な優位性を持つ日本HPがお互いの持つ強みを“融合”することで、日本のメインフレーム市場に挑むことになる。
従来より両社はパートナー関係にあり、すでに大手フランチャイズチェーンの大規模基幹システムをLinuxで構築し、運用を開始したという実績を持つ。今回の協業は、この実績に基づいて結ばれたもので、両社、特に日本HPにとっては、Linuxを中心としたオープン環境での大規模基幹システム構築を本格化させる第1歩となるだろう。日本HPは2003年1月から「Mainframe
Eliminate プログラム」なるキャンペーンを実施し、メインフレーム上で稼働する基幹システムをオープンシステムに移行するビジネスを積極的に展開してきた。
というのも日本HPが「メインフレームを持たない唯一の総合ITベンダ」(日本ヒューレット・パッカード 専務執行役員 営業担当 吉田雅彦氏)からである。同社の競合であるNEC、富士通、日立製作所、日本IBMなどは、いまでこそオープンシステム対応を声高に打ち出しているが、かつては自社独自のメインフレームで全国各地の県庁、市町村、教育機関、地銀、地場有力企業を顧客としてそれぞれの地域で強力な地盤を築いてきた。もちろん、自社のメインフレーム遺産は自社の力でオープン環境に移行させるとするのが、各社の意向だが、この“需要”に日本HPが商機を見たのは当然といえば当然のことである。
実案件については、インテックがオープンシステムのアプリケーション開発と運用を担当する。日本HPは、オープンシステムの基盤構築サービスとハードウェアの保守を提供する。運用に関して、両社は「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」に準拠した運用管理とアウトソーシングサービスを提供する。
(編集局 谷古宇浩司)
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