[JavaOne 2004開催]
「オープンソースに最も貢献した企業はサン」とマクネリ氏

2004/7/1

 米カリフォルニア州サンフランシスコで現地時間6月28日からJava開発者のカンファレンス「JavaOne 2004」が開催されている。2日目の朝には、米サン・マイクロシステムズCEOのスコット・マクネリ(Scott McNealy)氏が基調講演を行い、同社の最新の取り組みを紹介した。

■オープンソース・コミュニティに最も貢献した企業とは?

 初日のキーノートは「Java=opportunity(Javaはビジネス・チャンスだ)」というビジネス的なメッセージが中心だったが、2日目の内容は開発者に訴えかけるものだった。マクネリ氏は、「現在Javaには400万人の開発者がおり、全世界にある550のユーザー・グループがその活動を支えている。市場は年率22%で成長を続け、年々拡大している」と述べ、多くの開発者によってJavaの世界が支えられていることを強調した。その中で2003年よりスタートした開発者コミュニティの1つ「java.net」が、すそ野拡大の原動力の1つになっていると語った。

米サン・マイクロシステムズCEOのスコット・マクネリ氏

 マクネリ氏は「最大のオープンソース・コミュニティをどこだか知っているだろうか? それは、BSDなどで有名なカリフォルニア州立大学バークレー校だ。では、一般企業で最もオープンソース・コミュニティに貢献した企業はどこか? それがサンだ。製品を部分的にオープンソース化することは多いだろうが、OSを含む製品をまるごとオープンソースとしたのはサンだけだ」と述べ、オープンソース拡大におけるサンが果たしてきた役割を強調した。

 初日のキーノートでオープンソース化を表明したLooking Glassだが、正式にjava.netサイト内にプロジェクトが追加された。同ソースはGPL(General Public License)をベースに公開され、GPLの規約の下でソースコードを自由に閲覧できる。マクネリ氏は「サンは、Javaを正しい方向へと導ける企業だ」と述べているが、Java開放を求めるオープンソース・コミュニティやIBMなどの強い突き上げに対するけん制だと思われる。

■「昨日の敵は今日の友」マイクロソフトとの提携

 4月に突如発表され、歴史的和解と報道されたサンとマイクロソフトの提携劇だが、マクネリ氏は両社間のJavaの立場について触れた。「現在、世界には事実上2つの開発コミュニティだけが存在する。それがJavaと.NETだ」と述べ、マクネリ氏はJavaと.NETが巨大勢力となったことを説明、両社の提携で互いに連携していくことが、開発者にとってメリットとなると強調した。認証技術の標準化団体であるリバティ・アライアンスでの活動のほか、サンとマイクロソフトがそれぞれ持つディレクトリ/認証ソリューションを相互利用できるように開発を進めていると述べた。

 和解をした両社だが、マイクロソフトを皮肉るマクネリ節は健在だった。「提携後にビル・ゲイツと話す機会があったが、彼が『JVMとCLRって似てるよね』といっていたんだ」と、Javaを強く意識してC#+CLRをリリースしたマイクロソフトに対して、多少皮肉を込めて裏話を披露した。

 サンはジョークの対象以外では、マイクロソフトをライバルとして認識しなくなったようだ。その代わり最大のライバルとなったのは、IBMだ。実際、サンの幹部に「最大のライバルは?」という質問を投げかけると、必ずIBMの名前が返ってくる。

■車、携帯、STB、ゲーム――広がるJavaの世界

 初日に発表されたBMWとの提携ではJava搭載車が実際に登場した。また、すでに3億5000万台の携帯電話にJavaが搭載され、5月にはCATV会社のセットトップ・ボックス(STB)へのJavaの搭載が決まった。Javaの活躍の場はサーバ・サイドからほかの領域に広がりつつある。ガベージ・コレクションや処理速度の問題から最も苦手といわれていたゲーム分野にも、JVMの改良やJava 3Dなどの搭載で進出し始めている。壇上のデモでは、100%pure Javaで記述された3Dシューティング・ゲームがスムーズに動いている様子が紹介された。Javaでのリッチ・クライアント環境実現と合わせ、ネイティブ・コードとの差は次第に縮まっている。

 Java+Linuxによるクライアント環境であるJava Desktop System(JDS)の分野では、Allied Irish Bank(AIB)への大型導入案件を締結したことを発表した。サンはほかに中国政府とのJDS+JavaCard導入の大型提携を発表、カナダの学校機関向けにJDS+StarOfficeを導入する大型案件が決まるなど、政府/金融/教育の3つの分野で大きな成果を挙げている。マクネリ氏は、サンがJDSでこれらの分野に注力していると述べている。今後はこの3分野に加え、大企業を中心にJDSの一括導入が進んでいくと思われる。

鈴木淳也(Junya Suzuki)

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズ
JavaOne 2004

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