日本HPの夢は売上高1兆円、日本で大きな存在を目指す

2004/7/21

 日本ヒューレット・パッカードは7月20日、記者会見を開き、同社の事業戦略を明らかにした。その中で同社の代表取締役社長兼CEO 樋口泰行氏は、まずこれまでの成果を「hp+の考えが浸透した」と自信を持って話し、社長就任後に行ってきた施策を振り返った。

 樋口氏が誇らしげにこの1年を振り返るのも当然かもしれない。樋口氏のプレゼンテーションファイルでは、「売り上げ前年同期比23%増」「国内UNIXサーバシェア第1位 前年同期比46.2%増」(2003年工場出荷金額ベース)、「国内x86サーバシェア第2位 前年同期比35.2%増」(2003年工場出荷台数ベース)、「国内ビジネスPC出荷台数第5位、2004年第1四半期成長率業界1位 前年同期比49.1%増」などなど、HPとコンパックコンピュータ合併当初に懐疑的だったわれわれメディア、アナリストなどの予想を覆す成長を実現したからだ。

 それでは、今後の戦略についてはどうか。樋口氏は今後、「お客さま第1主義経営が重要」と述べ、セグメント戦略を実施していくという。その具体的なセグメントは、

(1)エンタープライズ
(2)中小・中堅企業
(3)コンシューマ

の3分野だとする。ここでは、(1)のエンタープライズに的を絞って紹介する。

日本ヒューレット・パッカード 代表取締役社長兼CEO 樋口泰行氏

 エンタープライズ分野では、HPが進めるアダプティブ・エンタープライズの一層の推進を掲げる。これまで、全営業、コンサルタントを教育し、専任コンサルタントを300人育成、100人のエンジニアがITILの認定資格を取得し、社内体制を強化してきた。また、クライアントとのビジョン共有として、13業種の分析とベンチマーク、50社以上のCIOへのヒアリング、さらには業種別ワークショップを開催するなどして、「アダプティブ・エンタープライズも浸透してきた」と自信を見せる。

 今後のアダプティブ・エンタープライズ戦略は第2章に突入すると樋口氏は指摘、特に「成功の鍵は人」と述べ、スピーディにクライアントにソリューション提案ができるよう社長直結タスクフォースを6チーム結成(200人規模)する、提案型営業強化のためレベルアップトレーニングを実施、あるべきITグランドデザインを描けるシニア・アーキテクトを倍増、などの人的強化策を発表した。

 記者会見の最後に、同社の現在の勢いを止めないようにということか、樋口氏は「日本で一定の存在価値を出すためには、売上高1兆円を目指さないとダメだと社内でいっている」と宣言した。現在の売上高約3700億円を2006年には5000億円に、2010年に1兆円を目標とすることを明らかにした。日本HPと樋口氏の野望はかなうのだろうか。

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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